私の糠漬け研究(1)

 この6月から、糠漬け研究を開始しました。

 以来、今日まで、なんとか糠漬けを維持できています。

 糠漬けは、毎日1、2回、糠床をよくかき混ぜる必要があります。

 家内は、これをずっと嫌がり、我が家の糠漬けは長い間存在していませんでした。

 「それならば、私がやる!」

と、一念発起しました。

 それは野菜を自分で育てはじめて、その野菜を糠漬けにしたらおもしろいのではないか、と思い始めたからでした。

 実際に糠漬けを混ぜはじめると、まず手に変化が起こりました。

 なんとなく、手に張りが出て調子がよい、若返った手になったのではないかと思うようになりました。

 それから、予想した通り、夏野菜をよりおいしく食べることができるようになりました。

 これは大きな進歩であり、そのことを理解し始めると、糠床のかき混ぜを苦労に感じることはなくなりました。

 ですから、糠床のかき混ぜは、主として私の仕事ととして定着し始めています。

 この糠漬けを維持しながら、こ のなかに、いろいろなものを入れては試す、これがおもしろくなってきました。

 なにせ、私は、新し物好き、めずらしがり屋ですので、今度は何を糠漬けにしようかと考えることに楽しさを覚えてしまうのです。

 さて、その研究成果報告の第1は、アスパラです。

 アスパラの定番料理は、湯がくか、炒めるかですので、いずれも火を通すことが常識となっています。

 このアスパラを生のの糠漬けにして食べようというのですから、これは、常識外の試みということができるでしょう。

 そこで、早速、その味を試してみました。

 「おやっ? これはおかしな味だね」

 いつもは、茎の先の方がおいしいので、そこから食べ始めたのでした。

 「この味は複雑だね」

 どうも、ピタッと「うまい」という反応は生まれてきませんでした。

 「これは、失敗かも知れない」

 いくら食べても、その茎の先端の味は変わりませんでした。

 「そろそろ諦めようか!」、そう思っていた矢先、何げなく摘まんだアスパラの茎の部分を口の中にいれて「おやっ」と思いました。

 先ほどまで試食していたアスパラの茎の先端とは、まったく異なっている味ではありませんか。

 噛むとシャキシャキと心地よい歯切れの音がして、味もなかなかよいものでした。

 「そうか、糠漬けには、この茎の部分が向いていたのか!」

 これで、新たな糠漬けの知見を得たことになりました。

 「これからは、茎の部分のみを入れることにしよう」

 2度、3度、そして10数回、この茎の糠漬けを食べては、その味を確かめ、「これは、イケル」と判断させていただきました。

 ところで、因みに、このグリーンアスパラ は、5本で100円と安い買い物でした。

 これから、アスパラ糠漬けの研究を大いに深めていきたいと思います(つづく)。
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                         アスパラの糠漬け