先日の蛸に続いて、本日は、鯵とカナガシラの話を紹介しておきましょう。

 夏も本格化してきて、安岐港で水揚げされる魚も徐々に変化してきました。

 その魚たちを見ることができるので、週末になると、この競りに出かけたくなります。

 近頃は、その競りで掘り出し物を見つけ、それを買うことがゆかいになりました。

 「この鯵は、どう?」

 こう家内からいわれ、早速同意。競りにおいて「買札」を押さえるのは彼女の役目ですので、それを確保していただきました。
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                        鯵、鯛、カナガシラ

 早速、このやや大きめの鯵とカナガシラ(最上部の赤い魚)を刺身にしていただきました。

 この辺りは、関サバ、関鯵で有名な佐賀関に近いところですから、その鯵の味は、それとほとんど変わりません。

 こちらは、やや小ぶりなだけですので、それを我慢すればよいのです。

 やや淡白ですが、舌触りがよく、弾力もあって、甘さもあり、真に一級品の味でした。

 「これは、おいしいね!」

 次に出てきたのが、カナガシラの刺身でした。この魚は、非常に安く、今の時期、良く水揚げされています。

 あるとき、競りにきている方に尋ねてみました。

 「この魚は、どのようにして食べるのですか?」

 「刺身がおいしいよ!」

  カナガシラは煮つけで食べるものと思っていましたので、それを聞いてちょっと驚きました。

 みなさんが、よくこの魚を買っていかれるので、「その人気の秘密は何か?」と思っていましたが、どうやら、それは刺身のおいしさにあったのだと理解することができました。

 それからは、カナガシラは刺身で食べる、これが定番となっていましたので、今回もそうしていただきました。

 その味は、鯵と比較して、ねっとり感があり、どちらかといえばホゴの刺身の味とよく似ていました。

 もちろん、ホゴに近い美味しさであり、舌鼓を打たせていただきました。

 さて、注目は、この鯵ほかの魚の安さにあり、これらすべてで960円でした。単純計算すれば、一匹あたり100円以下であり、これが獲れ立ての新鮮魚の値段なのです。

 どう考えても、その安さには吃驚仰天ですよね!

 これが、こちらでの経済生活感覚であり、これを真の「豊かさ」というのではないでしょうか(つづく)。