いよいよ、本日で最後の解説となりました。
第2章 第4節 マイクロバブルの物理化学的特性(p.108~125)
すべては、ここから始まりますので、とくに念入りに認めた節です。
そのためページ数も18となり、予定を大幅に超過することになりました。
最初の問題は、この説の執筆が、最後に仕上がったことです。
書きはじめは、ここからでしたが、仕上げは最後になりました。
その理由として、帰納と演繹、分析と叙述の問題があります。
よくいわれているように、これらの両者は、それぞれ相対立する概念を有しています。
物事を細かく分析し、その特徴を考えていくのが帰納的方法です。これに対し、全体を俯瞰してその包括的な考察を行う方法を演繹といいます。
そこで、実際に今回執筆したすべての文書4つを並べてみることにしましょう。
この流れは、次のようになります。
①マイクロバブルの物理化学的特性➡②マイクロバブル水の物理化学的特性➡マイクロバブルの農業利用➡マイクロバブル技術20年と今後の課題
これは、基本的な科学的性質から具体的な技術的応用へ、そして、歴史的総括と課題の提示へという流れになっています。
これに対し、文書の仕上げは、この逆を辿ることにしました。
なぜなら、具体的な事例や総括的展望を踏まえて、その基礎となる基本現象をより大切に考えたからで、その叙述の方が読者に解りやすく働きかけることができると思ったからでした。
その意味から、マイクロバブル技術の基礎となるマイクロバブルの科学的究明による叙述を優先させたのでした。
2つ目は、ここで新たな成果をいくつか明らかにさせていただいたことです。
その第1は、マイクロバブルの収縮現象に関して新たなデータを示し、マイクロバブル発生直後から、その収縮が開始され、しかも、その収縮において、マイクロバブルの膨張および収縮の短期的変動が形成していることを明らかにしたことです。
その第2は、その変動周波数が約9ヘルツであることを示したことです。
これら振動特性を明らかにすることによって、マイクロバブルが、その発生直後から、約9ヘルツの振動をしながら、しだいに収縮して、マイクロナノバブル、ナノバブルへと変化していく過程をより詳しく解説しました。
また、この収縮に伴う変動が増大し、この変動圧力の増大が最終的に圧力そのものの増大に結びついていく過程を明らかにしました。
さらに、この圧力増大が、第2章第5節において、すでに述べてきたマイクロバブル水の化学変化に関係することを指摘しました。
3つ目は、マイクロバブルの負電位現象を、圧力差によって生まれる「焦電現象」としてより明確に説明させていただいたことです。
これでマイクロバブルの負電位現象と高温高圧化の問題がより合理的に説明できるようになりました。
4つ目は、トピックス的データとして、マイクロバブルの発光を光増倍管を用いて「光子量」として計測した事例を掲載したことです。
この光増倍管は、小柴先生らがスーパーカミオカンデンで計測した光増倍管と同じ性能を有しており、それを製作していた会社に特注で製造していただきました。
マイクロバブルの発光現象については、その計測が難しく、この研究を行う方は、ほとんどいません。
中には、マイクロバブルの発光を疑う研究者もいるようです。
しかし、この光子の計測結果は、それらの方々に強い刺激を与えるでしょうし、これによって、光マイクロバブルに関する研究がより進展していくことが期待されます(この稿はおわり)。
第2章 第4節 マイクロバブルの物理化学的特性(p.108~125)
すべては、ここから始まりますので、とくに念入りに認めた節です。
そのためページ数も18となり、予定を大幅に超過することになりました。
最初の問題は、この説の執筆が、最後に仕上がったことです。
書きはじめは、ここからでしたが、仕上げは最後になりました。
その理由として、帰納と演繹、分析と叙述の問題があります。
よくいわれているように、これらの両者は、それぞれ相対立する概念を有しています。
物事を細かく分析し、その特徴を考えていくのが帰納的方法です。これに対し、全体を俯瞰してその包括的な考察を行う方法を演繹といいます。
そこで、実際に今回執筆したすべての文書4つを並べてみることにしましょう。
この流れは、次のようになります。
①マイクロバブルの物理化学的特性➡②マイクロバブル水の物理化学的特性➡マイクロバブルの農業利用➡マイクロバブル技術20年と今後の課題
これは、基本的な科学的性質から具体的な技術的応用へ、そして、歴史的総括と課題の提示へという流れになっています。
これに対し、文書の仕上げは、この逆を辿ることにしました。
なぜなら、具体的な事例や総括的展望を踏まえて、その基礎となる基本現象をより大切に考えたからで、その叙述の方が読者に解りやすく働きかけることができると思ったからでした。
その意味から、マイクロバブル技術の基礎となるマイクロバブルの科学的究明による叙述を優先させたのでした。
2つ目は、ここで新たな成果をいくつか明らかにさせていただいたことです。
その第1は、マイクロバブルの収縮現象に関して新たなデータを示し、マイクロバブル発生直後から、その収縮が開始され、しかも、その収縮において、マイクロバブルの膨張および収縮の短期的変動が形成していることを明らかにしたことです。
その第2は、その変動周波数が約9ヘルツであることを示したことです。
これら振動特性を明らかにすることによって、マイクロバブルが、その発生直後から、約9ヘルツの振動をしながら、しだいに収縮して、マイクロナノバブル、ナノバブルへと変化していく過程をより詳しく解説しました。
また、この収縮に伴う変動が増大し、この変動圧力の増大が最終的に圧力そのものの増大に結びついていく過程を明らかにしました。
さらに、この圧力増大が、第2章第5節において、すでに述べてきたマイクロバブル水の化学変化に関係することを指摘しました。
3つ目は、マイクロバブルの負電位現象を、圧力差によって生まれる「焦電現象」としてより明確に説明させていただいたことです。
これでマイクロバブルの負電位現象と高温高圧化の問題がより合理的に説明できるようになりました。
4つ目は、トピックス的データとして、マイクロバブルの発光を光増倍管を用いて「光子量」として計測した事例を掲載したことです。
この光増倍管は、小柴先生らがスーパーカミオカンデンで計測した光増倍管と同じ性能を有しており、それを製作していた会社に特注で製造していただきました。
マイクロバブルの発光現象については、その計測が難しく、この研究を行う方は、ほとんどいません。
中には、マイクロバブルの発光を疑う研究者もいるようです。
しかし、この光子の計測結果は、それらの方々に強い刺激を与えるでしょうし、これによって、光マイクロバブルに関する研究がより進展していくことが期待されます(この稿はおわり)。
田染三宮の景とその前を流れる川
コメント