先日、ある経済学者の講演をインターネットで聞いていたら、大分県日田市の大山町の話が紹介されていました。

大分県と熊本県の境にある小さな町ですが、ここで立派な「地域おこし」がなされているというので調べてみました。

ここの名物は梅と栗、独特の山地気候を活かして、特産品の梅と栗を育て、「みんなでハワイに行こう」というスローガンが実現されていました。

ここには、かつて唱えられた「一村一品」運動が、今では、さらに発展し、大きく花ひらいた姿がありました。

そこで、その梅干しを早速食べててみようと思い立ち、この大山町の出店(木の花ガルテン)が別府市にもあるというので、そこに行って梅干しを買ってきていただきました。

さすが、期待した通りのみごとな「梅干し」でした。

まず、大きさが普通の梅干しの倍以上ありました。それから、見た目が鮮やかな紅であり、皮も薄く、みるからに柔らかそうな梅干しでした。

味もよく、思わず、ご飯とともに食が進みました。

ーーー なるほど、この梅干しだったら、他の梅干しと勝負できる! これでハワイに行こうという意気込みも理解できる。

このレベルの梅干しには、最近、出会ったことがなく、その記憶を辿っていきました。

どこかで、このような梅干しを食べたことがある、こう思いながら浮かんできたのは、幼き頃に母の実家でおばあちゃんが漬けていた梅干しでした。

この大きな梅干しを、おばあちゃんは、3時のおやつの時間に毎日1つ食べていました。

さらに梅干しを置き、それに醤油を少々、味の素もかけていました。

この梅干しを、爪楊枝で崩して少しずつ食べながら、お茶を楽しむのです。

それを見て、その梅干しがとてもおいしく見えましたので、母に、その梅干しをねだったこともありました。

大山町の大きな梅干しの味は、その時の味によく似ていました。

柔らかくて、品がよく、これが本当の味、最高の水準の食物だと思いました。

この梅干しで、立派に地域を成り立たせている、ここには、他の地域が学ぶべき点が少なくないように思います。

おかげで、この梅干しによって、母とおばあちゃんと一緒に食べた記憶を蘇らすことができました
(つづく)。
大山町梅干し20150114
大山町の梅干し