天然の形のよい、そして肉付きもよい鯛を買うことができました。

ここは豊後水道ですから、南からの黒潮が瀬戸内海に入ってくる丁度入口の部分に相当しています。

そのため、魚が豊富で、このまま潮が北進すると山口県の上関付近に衝突します。

この潮の流れが影響して、今やブランド魚として有名なのが関サバ、関アジです。これらの特徴は、潮の流れのなかで泳いでいることから、身が筋肉質で柔らかく、餌もよいことから良質の味がすることにあります。

これは、関アジ、関サバにとどまらず、他の魚においてもいえることです。

たとえば、本日の鯛で比較をしますと、それは瀬戸内海の鯛の味とはずいぶん違います。

長い間、その瀬戸内海の鯛を食べてきましたので、その味はよく解っていて、その経験から、鯛はあまりおいしくない、これが私の記憶に定着していたのです。

ところが、こちらに来て、それこそたくさんの鯛を食べて、その常識が覆されてしまいました。

とくに、冬場の鯛は、また格別で、その味が一段と甘くなり、おいしさを増してきます。また、その肉質が柔らかく、高級魚の鯛が復活したかのうように感じています。

やや、大きめの鯛の写真を示しましょう。

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体長約60㎝、とても立派な鯛です(購入価格2000円)。

おわかりのように、非常に均整の取れた形をしていて、このような鯛がおいしいのです。そのことを地元の漁協関係の方々から教えていただきました。

さて、問題は、この鯛の味ですが、これも、じつに見事な味でした。

新鮮で柔らか、そしてピンクの色がよく、舌鼓を打たせていただきました。

しかし、その刺身を少量いただくことに留めることにしました。

ご承知のように、新鮮でおいしい魚ばかりですので、鯛が後回しにされているからです。

鯛は、少し時間を置いてからの方が美味しいので、それを待つことにしました。

まもなく年末と正月がやってきます。

その折に、華やかな姿が切り身として登場してくるのかもしれませんね(つづく)。