引き続き、マイクロバブルと排尿問題の考察を進めます。

  前記事においては、マイクロバブル入浴で身体が温まり、寝ていても、それが持続することで、筋肉や他の内臓における血流が維持されることを示しました。

  結果的に、腎臓における血流量が少なくなり、尿の製造量が減少することで、夜の小便回数が激減したのではないかという推察が可能になりました。

   「おかげで、夜トイレに行かなくなり、身体が冷えないようになってぐっすり眠れるようになりました。助かります」

  このような感想を、お年寄りの方々から、幾度となく聞かせていただくようになりました。

   さて、もう一度、この問題の最初に戻ります。そこでは、マイクロバブル入浴直後に、毎回尿意をもよおすようになることを指摘しました。

  この現象は、どのように考えればよいのでしょうか?

 お風呂に入ると、マイクロバブルによって、皮膚表面付近の末梢血管における血流促進が起こることについては、それを実際の計測で確かめています。

  しかし、そこでの血流促進は、より深部の筋肉や臓器に、どのように作用を及ぼすのでしょうか。

   この解明がなされないと、腎臓に血液がよく流入する、しない、すなわち、尿を製造する、しないの問題を明らかにすることはできません。

   以前に、深部血流計(筋肉内の血流を計測する装置)と皮膚表面付近の末梢血管における血流を同時測定したことがありました。

 この結果によりますと、皮膚表面付近の血流促進は、その周囲の血液を集めることによって実現されることから、その深部では、血流が滞る傾向を示していました。

  しかし、この表層での血流促進および、その深部での血流停滞の傾向は、長時間にわたって持続せず(せいぜい15~20分程度)、表層の血流促進が低下とともに、深部での血流増加がなされることが明らかになりました。

  皮膚表面に向かって垂直方向には、このような大きな血液移動が起きていたのでした。

  しかし、これでも、より内部の臓器に、どのような影響を及ぼしていたのかは不明のままでした。

  ところが、最近になってある実験を行ったところ、その垂直方向の血液移動よりは、はるかに大きな規模で血液の循環が起きているのではないか、という解明の糸口が見つかったのです。


  これは、身体全体の血の巡りがよくなることを示唆していますので、マイクロバブル入浴によって内臓に血液が運ばれている可能性があるのではないか、という仮説が成り立つことを意味しています。

  この結果を踏まえれば、マイクロバブル入浴によって、血の巡りがよくなり、腎臓へ血液が集まって尿の製造促進が起こっても、ふしぎなことではありません。

  それゆえに、マイクロバブル入浴の度に尿意をもよおすことも起こることについての検討もかのうになるのではないかと思います。

   試しに、小便を済ませてから、マイクロバブル入浴しても、尿意をもよおすことを何度も確認しましたが、これもふしぎなことではなく、必然的な現象だったのではないかと推察されます。

 その意味で、マイクロバブル入浴は、腎臓の働きに、何らかの影響を及ぼしているのではないでしょうか。

 腎臓は、一度悪くすると、回復しない臓器だといわれていますので、大事に、やさしく付き合っていくことが必要であるように思われます(つづく)。
kosumosu