「その後の『しらたまちゃん』」において、私が一番注目しているのは、その主人公が大人の私どもに重要な刺激を与えていることです。

わずか2歳余の子供が、大人に強烈な刺激を与えるのですから、これは普通ではありえないことです。

もちろん、私の子供においても、このような刺激を受けたことはありませんでした。

しかも、この刺激は、半端なものではなく、その利発さに啓発を受けてしまうような刺激なのです。

この場合、その利発さとは、どのようなものなのでしょうか。
　
前記事においては、その萌芽として、みんなの前でハッピーバースデイの歌を唄いながら、ロウソクの火を吹き消す、という喜びの行為を紹介させていただきました。

この行為の積み重ねによって、誕生日の主人公に対して、喜びの祝辞を述べることを学習することができるようになりました。

すなわち，「お父さん、おめでとうございます」と、いえるようになったのです。

この行為をさらに発展させたのが、しらたまちゃんの「おじさんの結婚式」における乾杯の祝辞でした。

「みなさん、こんばんは。○○○○です。2歳です。もうすぐ三歳になります。マスター（新郎は喫茶店の店主でしたから、そう呼ばれていました）、○○ちゃん、結婚おめでとう。みんなに幸せをいっぱいあげてください。それでは、みなさん、乾杯の準備はいいですか。それでは、乾杯！！」

大勢の前で、このように立派に音頭をとって、乾杯をなし遂げたのです。みなさんは、この行為を目の前にして、吃驚仰天されました。

通常、こんなことを二歳の子供が成し遂げることはありえません。

ですから、この乾杯を成し遂げた後は、拍手大喝采で、しばらく．肝心の新郎新婦がかすんでしまうほどでした。

もちろん、この晴れ舞台の前に、親子で相当な練習をしたはずですが、それを立派にやり遂げたのですから、これは並みの利発さでは、とても、なし得ないことではないかと思いました。

そして、次の吃驚は、ストリートダンスならぬ、フロアダンスをみなさんの前で繰り広げたことでした。

燕尾服に蝶ネクタイで正装した二歳児が踊りまくるのですから、その結婚式会場を独占したようなパフォーマンスになってしまいました。

もちろん、新郎新婦も、十分に喜ばれていました。自分たちの結婚式を最大限に盛り上げてくれた、この二歳児に感謝、感謝であったことはいうまでもないことでした。

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正装のしらたまちゃん