なぜ、初対面にもかかわらず、面談が成功し、当初の予想以上の段階にまでトントンと進んで行ったのか?
その意味を少し深く考えてみることにしました。
当初は、私の研究について、紹介していただきたい、知りたいとのことでしたが、それがさらに進んで、共同研究をして発展させるのはどうかという、より前向きの提案がなされるようになりました。
これこそ、先生の優れたコーディネート力のなせる技だと実感させていただきましたが、その眼力というのでしょうか、その炯眼には鋭いものがありました。
まずは、私がスライドを用いて説明をし始めると、オーム返しに質問がありました。
私も、説明を省き、写真データをそのまま示し、それをもとに議論するというスタイルで説明をさせていただきました。
おそらく、その写真データを見ることで、その本質をズバリ理解されたのだと思われます。
「そうであれば、この分析はなされていますか。このデータがあるとよいですね」
「それはできていません。それが素人の限界であり、今後の課題といえます」
「そうですか、それだったら、うちのよい研究者を紹介しましょう。私が橋渡し(リエゾン)をしますので、共同研究をなさるとよいですね。それにしても、この研究は、これから、すごいものになりますね」
「もちろん、私どもとしても望むところです。ぜひよろしくお願いします」
こうして話がまとまりましたが、これを決定づけたのは、数枚の写真データでした。これで、先生は、何が起きているのかを即座に理解されたようでした。
簡単にいえば、「わかる方には、わかるものだ」、このような思いを強く抱かせていただきました。
それにしても、いろいろな方と協力して、真摯に成果を出してきたことが、このような事態を招くことにつながったと思いました。
むずかしいことでしたが、まじめにやってきてよかったと素直に思い、心が晴れ晴れしました。
このテーマは、H君と毎日悪戦苦闘してデータを取得していることとも関係していますので、このデータを紹介すれば、さらに吃驚されることになるでしょう。
これで、気分爽快、この面会も予定より少し早めに終わりましたので、昼ごはんを㈱ナノプラネット研究所の社長と一緒にいただくことにしました。
昼飯のメニューは、「とんかつ」でした(つづく)。
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