美容師さんの「手荒れ防止用装置」を開発したのですが、この実験は当初、あまりうまくいきませんでした。
「なぜで、あろうか?」
よくなったり、悪くなったりという改善・非改善が繰り返されたからでした。
「この方法では、だめなのか? そうだとすると、どうすればよいか」
ここが思案のしどころと思って、その対策を深く考えてみました。しかし、なかなか妙案はすぐに浮かんできませんでした。
なにせ、あの「黒い手」ですから、手ごわい相手であることは間違いありませんでした。そして、これこそ、「マイクロバブルの試練」の時だったのです。
「手だけではだめ、そうであれば足も」
こう思いながら、ある思いがひらめきました。やはり、最高のマイクロバブルの与え方をしなければ、この試練を克服することができない、こう思うようになりました。
こなれば、それを実際に試す段階に移行します。あれこれ考えても、実際に試してみれば済むことですので、「急がばまわれ」が一番となります。
そこで、実際に事情を聞いてみると、次のことが判明しました。
①仕事を始める前の朝の時間は非常に忙しくて、その10分間が非常に貴重であり、毎日、10分間手を浸けることがなかなかできない。したがって、実際には、何日かおきに手を浸けることになる。
②手荒れ用マイクロバブル発生装置が1台しかなく、他の方が使用中の場合には、なかなか一緒に使用できない。
③季節によって、お客さんが非常に多い場合には、マイクロバブルでよくなりかけても、また、逆戻りして手荒れがひどくなることもある。多い時には、一日に数十回も頭を洗うことがある。
④ステロイド軟膏を塗ることを止めることができない。
⑤夜は痒くて掻いてしまい、蒲団が血だらけになってしまう。
これらを聞くと、なんとか改善したいのに、それができなくて苦しんでいる跡が覗えました。
そこで、これらの状況を一気に打開するには、はやり、次の「考え抜いてきた案」を提示するしかないと思いました。
「大変な毎日を過ごされていますね。これまでの事を総合的に分析して、もっとよい方法はないかと思案してきました。そして、この困難を突破するには、みなさんにお風呂に入っていただくのが一番よい方法だと思うようになりました」
これを聞いて、「黒い手」の美容師さんの表情が一瞬明るくなりました。
「手だけでは不十分であることがわかりました。お風呂に入ると、全身でマイクロバブルの効果を受けることができますので、その効果は、これまでに手だけの場合と比較すると約10倍にもなるでしょう」
さらに、これを聞いていた周囲のみなさんの目が輝く始めました。
「3人のモニターのみなさんには、実験用として、マイクロバブル入浴装置をお貸ししますので、できれば、朝と夜の二回、お風呂に入ってください。また、休日は、1時間以上、ゆっくりとマイクロバブル入浴を楽しんでください」
こうして、手荒れ用マイクロバブル実験の二回目が始まりました(つづく)。
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