2.マイクロバブルは水のなかで小さくなる

 マイクロバブルは、いろいろと「ふしぎ」な性質(せいしつ)をもっています。そのひとつが、発生したあとに、小さくなっていくことです。

  このマイクロバブルがゆっくりと上にあがりながら小さくなっていくことを、学会(学者が発表する場のことをいう)で発表したら、みなさん、「そんな気泡があるのか」と、びっくりされていました。

 マイクロバブルが発生したときに、いちばん多く発生する大きさは、およそ20~30マイクロメートルのものです。

 生まれたての、いわば赤ちゃんの状態のマイクロバブルが、20~30マイクロメートルの大きさですので、このサイズから、さらに小さくなっていくのですから、これは、いままでの常識では考えることができない、とてもふしぎな現象(げんしょう)と受けとめられました。

 自然に、マイクロメートルのサイズから、ナノメートルのサイズまで小さくなっていきますので、マイクロバブルがナノバブルへと変化(へんか)していくのです。

 みなさんが知っている気泡(きほう)や泡(あわ)は、水の中で、上にあがりながら、じょじょに大きくなっていきます。これがみなさんが知っている気泡(きほう)の常識(じょうしき)です。

 今ごろでは、テレビ放送(ほうそう)のうしろで、水のなかに泡(あわ)をうかべてゆらゆら流しているようすをよく見かけます。

 その泡(あわ)をちゅういふかくながめますと、その泡(あわ)が、すこしずつ大きくなりながら上がっていることに気づかれることでしょう。

 これが、みなさんが知っている泡(あわ)なのです。しかし、マイクロバブルは、ぎゃくに、大きくはならず、小さくなっていき、さいごには水のなかで消(き)えてしまうのです。

 ですから、このように、水のなかで消(き)えてしまうような泡(あわ)のことを、だれも知りませんでした。

 ということは、マイクロバブルがこの世の中でほとんど知られていない、未知(みち)の物質(ぶっしつ)であり、新物質(しんぶっしつ)であったということだったのです。

 しかも、それを水と空気でつくることができたのです。もちろん、だれにもわけへだてはなく、つくろうとおもえば、だれでも、その装置(そうち)がありさえすれば、いつでもつくれるようになったのです。

 そのマイクロバブルを発生させる装置(そうち)は、1995年にできあがりました。この装置の完成(かんせい)によって、マイクロバブルの時代が切り拓かれることになりました。

 もちろん、その装置の特許(とっきょ)も国内外で取得(しゅとく)し、現在では、それを世界32カ国にまで広げることができました。

 さて、マイクロバブルが発生したあとに、みずから小さくなっていく、これにはとても重要(じゅうよう)な特性(とくせい、とくべつのせいしつのこと)があったのです。

 そのことを明らかにしていくことによって、マイクロバブルのすばらしさを理解(りかい)できるようになりました(つづく)。

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