午後からは、京都から来られたVB(ベンチャービジネス企業)の相談を受けました。この会社は、世界規模でのビジネスをされているようで、大手機械部品メーカーの取締役だった方が退職されて創業された会社でした。
とくに、イスラエルの会社事情に詳しく、その話によると、イスラエルの技術立国の施策には相当進んだものがあると思いました。
考えてみれば、人口700万人の小さな国ですから、その一国で成り立つという話はほとんどありえません。おまけに、戦争や紛争があり、常に不安定な国ですから、それだけ、国を技術で成り立たせるということに力を注がないといけない事情があるようです。
とくに、私が興味を覚えたのは、そのベンチャー支援、特許構築支援についてでした。まず、特許になりそうなシーズがある場合には、それを積極的に財政支援する措置があるようです。
この支援を受けて、研究開発を行い、その特許化を目指します。そして、特許申請後は、それを活かしたビジネスができるような手厚い支援策も講じられているようです。
日本でも、それに似た制度がなくはないのですが、何が大きく違うかというと次の二点になります。
①支援される予算額が相当違います。おそらく、日本の100倍以上はあるような気がします。
②特許構築においては、最初から世界戦略のもとでそれが行われます。日本のように、まずは、国内で、そして外国へという二段階論ではなく、最初から世界を意識して臨むという姿勢が大きく異なっているようです。
同じ程度の規模の国として、フィンランドやデンマークなど北欧の国があります。ここでも、最初から、その技術開発や人づくりにおいては、世界を意識することが普通になっています。
最近の韓国も、それに似た企業の発展があります。
このように、常に世界を意識しながら、その技術開発や特許構築を行うことが、より小規模な国の必然になっているのに対し、日本では、それがなかなか明確にはなっていない、ここに、ずいぶん問題が隠されているなと思いました。
さて、実際の技術相談においては、マイクロバブルの適用問題、具体的利用法、今後の課題などについて、かなり突っ込んだ議論や検討が行われました。
その内容は、かなり新たな課題についてでしたので、「単にマイクロバブルの発生装置を使うだけ」では、
「おそらく、その課題解決は無理でしょう。いろいろ高度な工夫が必要ですね」という私の発言で、ひとまず終了し、次回にさらに具体的に検討を行うことになりました。
今回の訪問者のお一人は、昨年私が講演を行ったときに、世話をしていただいた方でしたが、「今回、社長と訪問してよかった」という感想を述べられていました。
この相談を終えて、これで終わりかなと思っていたら、次に飛び入りの相談者が現れました。県内の企業の方で、マイクロバブルに非常に興味を持っているので、ぜひ見学させてほしいということでした。
そこで、マイクロバブルの実演を交えながら、しばし、議論を行いました。
「これが海水マイクロバブルです。海水の場合は、非常に白く濁るのが特徴です。しかし、この白く見える気泡は、すこし大きめのマイクロバブルです」
「少し大き目とは、どの程度の大きさですか?」
「50~60マイクロメートル以上です。よく見ていてください。この泡は、すぐに上にあげっていきます。その後に、残った泡がマイクロバブルです。小さくなっていって、その白さも薄くなり、透明に近くなっていっているでしょ。これがマイクロバブルなのです」
「そうですね。よく見ないと、わからないですね」
「そうなんです。この最初の白いものを見てマイクロバブルだと思う方が意外と多く、それは、マイクロバブルのなかでも非常に大きめの気泡のことで、それは、すぐになくなってしまいます」
「ほんとに、そうですね」
「こうして、実際に見ていただいて説明をすれば、すぐに理解していただけることです」(つづく)
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