マイクロバブルは、「超高速旋回方式(ちょうこうそくせんかいしき)」と呼(よ)ばれる方法(ほうほう)で大量(たいりょう)に発生させられます。
これは、水と空気(くうき)を考えられないほどに高速(こうそく)で旋回(せんかい)させる方法です。
この装置(そうち)内の回転数(かいてんすう)を高速度(こうそくど)カメラで撮影(さつえい)して、その旋回速度(せんかいそくど)を計(はか)ってみました。
そしたら、その速度(そくど)は、1秒間(びょうかん)に400~600回転(かいてん)も回転(かいてん)する速(はや)さだったのです。
「カチっと1秒間(びょうかん)、音(おと)がする間に、約500回も回転する」のですから、これは相当(そうとう)速い回転数(かいてんすう)であり、かんたんには想像(そうぞう)できないことでした。
そのことを、いろいろと調べてみると、こんなに高速(こうそく)で、水と空気を、いっしょにまぜて回転(かいてん)させたことは、ほとんど前例(ぜんれい)のない、ほんとうにめずらしいことだったのです。
ですから、こうして水と空気を高速でかきまぜることによって、新(あたら)しい物質(しんぶっしつ)としてのマイクロバブルが生まれることになりました。
人類(じんるい)は、一秒間に500回も水と空気をいっしょにまぜて回転させたことはなかったのであり、それをはじめておこなうことで、マイクロバブルが誕生(たんじょう)することができたのです。
そのことは、マイクロバブル技術(ぎじゅつ)の発展(はってん)によって、いよいよあきらかになりはじめています。
さて、発生したマイクロバブルが小さくなっていくと、いったいどうなるでしょうか。これは、非常(ひじょう)に重要(じゅうよう)な物理化学的(ぶつりかがくてき)問題(もんだい)といえます。
このマイクロバブルが小さくなるきっかけは、マイクロバブルが発生するときに、装置(そうち)のなかで形成(けいせい)された空洞(くうどう)の圧力(あつりょく)がマイナスになること関係(かんけい)しています。
そのマイナスの圧力(あつりょく)の空洞(くうどう)を引きちぎることでマイクロバブルが発生しますので、そのマイクロバブルのなかの空気の圧力(あつりょく)もマイナスになっていると考えられています。
この場合(ばあい)、圧力がマイナスというのは、空気のかたまりが広がろうとするのではなくて、小さくなろうとする力がはたらくことを意味(いみ)します。
そして、マイクロバブルが発生した水のなかでは、水の圧力(あつりょく)がプラスなので、マイクロバブルを外側(そとがわ)から押(お)そうとします。
この水の圧力(あつりょく)によって、マイクロバブルは小さくなろうとします。これによって、マイクロバブルのなかの圧力(あつりょく)は、じょじょに高くなっていきます。
圧力が高くなると、そのなかの温度も大きくなり、ますます空気が溶(と)けやすくなります。
また、このとちゅうで、マイクロバブルのなかの空気の一部が噴(ふ)き出すこともあきらかになっており、これで、さらに小さくなっていくのです(つづく)。
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