いわむらもみじ屋の長椅子に腰かけて、Mさんらは、熱々の焼き立て「もみじ饅頭」をいただくことになりました。

これは、実際に食べてみないとわからない味といいましょうか、店頭でこそ味わうことができるもので、なんとも言えない美味しさです。

「おいしい!」

Mさんも、友人も、その久しぶりの味に吃驚していました。

「なんだか、2年目前よりも美味しくなっているような気がする、どう?」

Mさんは、友人に、こう尋ねていました。

「焼き立てのツブ餡はいかがですか?」

今度は、もみじ屋の奥さまが尋ねてきました。彼女は、どちらかといえば「焼き立てはツブ餡」と思っておられますので、自信のある方で聞いてみたのです。

「おいしいです。どうして、こんなにおいしいのでしょうか。私が食べてきた『もみじ饅頭』の味とはずいぶん違うようですが・・・・・・・。これも『マイクロバブルとか』いうもののせいでしょうか?」

今度は、マイクロバブル派のMさんが割り込んできました。

「焼き立て『こし餡』もおいしい!これにもマイクロバブルの秘密が隠されているのですか?」

「そうですよ!なにしろ、うちの主人が熱心で、こだわり屋ですから、マイクロバブルとかいう機械を買うというのです。最初は、この機械で、どのくらい美味しくなったか、正直言って、私はよくわかりませんでした」

「えっ!そうですか?」

「そうなんです。でも、徐々に時間が経つにつれ、その味が違っていることがわかってきました。それに、お客さんが、『味が変わった、よくなった』といい始めましたので、それも参考になりました」

「マイクロバブルで味が変わるなんて、とても信じられないことですよね!」

「わたしも、そう思うのですが、実際に食べてみたら分かることですし、お客さんが、そういうのですから、これは間違いありません。ちょっと待ってくださいね。主人を呼んできますから・・・・・・。私よりも、主人の方が『マイクロバブル』に詳しいので・・・・・」

店の奥の方から、笑顔のご主人が現れました。

「『マイクロバブル博士』のお知り合いの方ですか。いやー、ようこそいらっしゃいました。ご存じのように、宮島は海に近く、山も低いので、昔から水がよくなく、饅頭づくりにおいても、いろいろ苦労をしてきました」

「周南市の方に会いに行かれたそうですね」

「はい、徳山東インターを降りてから、面会場所がわからず、ずいぶん迷って、やっとの思いで探し出しました」

「どうして、マイクロバブルのことを思いついたのですか?」

「話せば長くなりますが、マイクロバブルのことは、広島のカキ養殖を救ったことでよく知っていました。カキが成長して美味しくなったのでから、もみじ饅頭もなんとか美味しくできるのではないかと思い始めると、いてもたってもおられないようになり、思い切ってマイクロバブル博士に面会を申し入れました」

(つづく)

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