汚染水の海への流出問題は、日ごとに深刻度を増していて、3日前に予測した通りの悪化を遂げているようです。

その第1は、ピット周辺だけではなく、他の部分からも高濃度汚染水が流出していることです。3日前の予測では、その流出量は数倍ではないかと予測しましたので、それが間違いでなかったことが、その後の発表で裏付けられています。

この時の放射線高濃度汚染水が流出している流出量は、そのピット周辺の割れ目からのものだけの推定でも一日約1400トンでした。

実際の流出量は、その数倍あるとすれば、その量は約5000トンになります。これだと、いくら、低濃度の汚染水を捨てて入れ替えても、すぐに、そのタンクは満杯になってしまうのです。

この入れ替えタンクの容量は16000トンですから、これだと3日で満杯になります。

ピット周辺の割れ目からの流出のみだとしても、12日で満杯になってしまいます。

つまり、低濃度の水を捨ててタンク(低濃度廃棄物処理室)を空にしても、せいぜい1週間しか持たないタンク容量なのです。

それから、メガフロートにおいても、その到着には約10日かかり、さらに、その上に貯められる水量は1万トンでしかありません。

この1万トンのメガフロート上のタンクでは、2日~7日ですっかり満杯になってしまうのです。

これらを考慮しますと、用意しようとしているタンクの容量は流出している流量とは、ほとんど釣り合わないもので、すぐに満杯になってしまうのです。

これでは、流出する汚染水の量の多さに追いまくられ、最終的には、それに負けてしまう可能性があるといわざるをえません。

第二に、さらに困ったことは、すでに流出している汚染水の濃度がさらに高くなり、基準値の350万倍とか1億倍とかにまで跳ね上がっていることです。

ここまでくると、だれでも、このような高濃度汚染水を出してはいけないことは明らかであり、これに対して、真剣な対策を練る必要があります。

原子炉等を冷やすために、引き続き大量の水を使う必要があり、それが、汚染されて大量に流れ出しているのであり、この根本の流出を何らかの方法で食い止めるか、それが無理なら、地下に浸みこまないことを前提にして大容量の貯水池に封じ込めることを考えるしかありません。

後者の動きは、いまだないようですが、既存のタンクを空にして、あるいはメガフロートで賄うにしては、それらの容量が小さすぎて、すぐに対応できなくなるおそれがあると思います。

最悪を予想し、最善を尽くす、この原理を踏まえれば、大容量貯水池をすばやく築造するしかないように思われます。もちろん、地下にしみ込まず、空気中にも拡散しない配慮を施した貯水池である必要があります(つづく)。