地震、大津波が襲来して40数日が経過しました。また、それに伴って発生した原発危機は、いまなお進行していて次々に新たな事態を生み出しています。

これらの災禍を目のあたりして、そして実際に経験されて、多くの方々が、これまでの日本と自らのあり方を根本的に問い直す、考え直すという作業を行うようになりました。

ある経済評論家によれば、徳川幕府の崩壊、第二次世界大戦における敗戦に次ぐ、第三の国難であり、「自然に負けた」といわれていました。

その巨大なエネルギーの発散がなされたのが、縦200km、横500kmの広さにわたって地殻がもぐりこみ、その反動で地震と津波が発生し、東日本の海岸部は、海の方に押しやられるという事態に陥り、その結果550平方キロメートルもの陸地が沈み、文字通り日本沈没が起こりました。

しかし、地震で家が壊れ、津波で家族が奪われ、さらには原発の放射能で立ち退きを余儀なくされた方々が大勢いるなかで、そのみなさん方は、その艱難辛苦に耐える日々を続けられています。

そこで、これらの辛苦にどう立ち向かうのか、このことをじっくり考える必要があります。

その第一は、自然に立ち向かう問題です。あの巨大な15m、20mの高さの津波を見て、みな度肝を抜かれてしまいました。これは専門家とて同じことでした。

高さ10mの堤防が二重に設置された田老地区の堤防は、絶対安全といわれ、世界各国からも見学に来られるほどでした。しかし、これがもろくも破壊されてしまいました。

これは、単に高い防潮堤を建設すればよいという事では済まなくなったことを意味します。そこで、この問題をじっくり考えてみて、その結論を以下のように得ました。

①津波の巨大なエネルギーを逆に利用して、それを跳ね返す方式を考案する。

そんなことは不可能だ、できるはずがないと思われがちですが、それを何とかブレイクスルーすることができるかどうか、ここが思案のしどころとなりました。

これは、三陸の海岸においては、リアス式という湾内で徐々に狭くなる場合と、非常に広い領域の場合の2つにおいて、それぞれを具体的に考えていく必要があります(つづく)。


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