大船渡あさやけ2

昨夜は,旅の疲れでしょうか,気仙沼でたくさんしゃべったせいでしょうか,すぐに寝てしまったようです.そのせいか,それとも朝が早く明けるせいでしょうか.

5時前に目が覚め,窓の外に目をやりました.いつも見慣れた光景で,今朝も日の出前の大船渡湾がきれいに見えてきました.

この写真は,前回の記事に掲載した写真から数分後に撮影したもので,いよいよ日の出の直前を迎えています.

それにしても美しい光景です.ここを写真の右から左へと大津波が襲ってきたとはとても思い得ない景色です.

大船渡の高台にあるお寺の住職さんが,3.11の日のことを述懐されていましたが,その様は一言でいうと黒い羊羹が迫ってくるようだったというのです.

この羊羹が合計で8回,襲ってきたのです.この生々しい証言については,別稿で紹介させていただきますが,それは息を飲むような凄惨な内容でした.

この夜明けの写真を撮影して布団の中で少しぼんやりしていると,昨日のことが頭の中に蘇ってきました.

「これがマイクロバブルです.少し大きめの白っぽい泡はマイクロバブルではありません.これに目を奪われてはいけません.ここが重要です.

まず,その区別をしておきましょう.スイッチを切ってマイクロバブルの発生を停止しましょう」

こういって,マイクロバブルの発生を止めると,このやや大きめの白い泡は,水面にまで到達してすぐになくなります.

「みなさん,今水中で漂っているのがマイクロバブルです.わかりますか,ゆっくりと動いていますね.このマイクロバブルは,1m上がるのに約5時間もかかるのです」

そこで,マイクロバブルの洗浄効果について説明しました.

「この水槽内には海水に混じって汚れた有機物がたくさんあります.マイクロバブルは,この汚れたものを一挙に洗浄してしまいます.水面をよく見ていてください」

こういうと,みなさんの視線が水面に注がれました.

「ほら見てください.汚れたものが水面に浮かんできていますね.これはなぜ起こるのでしょうか?」

こういうと,たちまち,みなさんは不思議な顔になっていました.

「マイクロバブルはマイナスに帯電しています.その大きさは,マイナス数十ミリボルトです.ただし,それは淡水の場合で,これは海水ですから,もっと大きいと思います.

ここで重要なことは,先ほどいったやや大きめの白っぽい泡は,この負電位の値が小さい野です.ですから,このようにゴミにはくっつきにくいのです.

それから小さすぎても,負電位は減少傾向にあります.小さくなって目に見えなくなるほどの泡の負電位も実際には減少する傾向にあります.

ですから,一番よい大きさのところがあるのです.そのサイズのマイクロバブルが非常に有効なのです.その大きさは,直径で20~30マイクロメートルです.この装置では,そのサイズのマイクロバブルが一番多く発生するのです.

そして,このサイズのマイクロバブルが一番大きいマイナスの電位をしますのです.これが,この装置から発生したマイクロバブルの特徴なのです.

つまり,丁度よいサイズのマイクロバブルが一番多く発生し,最大の負電位を持つ,ここに重要な特徴があります.

当然のことながら,このような特徴を有する他の装置は少ないと思います.白っぽい泡が出ればよい,このように思ってしまうことは危険です.くれぐれも騙されないようにしてくださいね」(つづく)