「屋外にリビングがある家」では、内側の壁塗りが終わっていました。ホタテの貝殻の粉が混じった壁塗りで抗菌仕上げになっていました。

色は白、少し凸凹があり、しかも硬い壁で、しっかり出来上がって、大工の運乗さんも「立派な壁になった」と評価されていました。

また、電気関係の設備も始まり、照明が取り付けられていました。ここでメインは和紙を使った照明であり、木材と白壁のなかに、この和風照明が鮮やかに溶け込んでいました。

この視察で、私がもっとも驚き、気にいったのは風呂の壁の仕上がりでした。

まったく継目や目地のない壁であり、しかもその色の白さが鮮やかで、東側のカラス扉からの光で、それが青く写し出されていて、これはとてもよい風呂の光効果になると思いました。

7層構造のFRP工法、すばらしい技術ですね。

もうひとつ印象深かったのは、中庭からの光の差し込みによって、住居部分の居室とリビングが光溢れる明るい部屋になっていたことでした。

北側から、中庭の方を眺めると、部屋全体が非常に明るく見え、昼間はほとんど照明の点灯が不要だと思いました。

この太陽光の差し込みによって室内が温まり、さらにサーモウールで断熱がなされ、東西南北に吹きぬける風も入出できるので、温かくかつ風の抜ける空間を確保できそうです。

こうなると見事な設計といえますね。また、目の前の中庭を見ながら仕事をするようになりそうで、さらに、この中庭での各種マイクロバブル実験も行いますので、ここは、研究をする喜びの空間にもなりうるのです。

昔、フランスのミッシェルという生物学者は、自宅を改造して、それを「グリーンハウス」と名付けました。大学を追われた彼が、このハウスから復活を遂げていくのですが、彼の不屈の精神に因んで、ここを「グリーンサンハウス」と呼ぶことにします。

先述の「国東下村塾」に加えて「グリーンサンハウス(GSH)」、これで、主だったところの命名ができました。

さて、問題は、このGSHで何をするかですが、そのメインは各種液体でのマイクロバブルの発生実験と植物栽培になるでしょう。

その中には地元の名産もいれることにしており、ここで実験をしながら現地のフィールドワークに臨むというパターンになるとよいですね。

それから、来月になって、少し落ちついてからは、懸案の「書き物」もする予定です。おかげで、この数年来、ずいぶんと材料やデータが溜まってしまいました。この中庭での執筆も心地良さそうです。

昔は、定年退職者の挨拶の決まり文句は「晴耕雨読」でした。これと比較すれば、「晴究雨筆」といったところでしょうか。

まもなく、このGSHへの「入居カウントダウン」が始まります。

つづく

DSCN1376

東側から中庭部分を撮影(ここが実験場になる)