先日の引っ越しによって生まれた荷物の山が徐々に整理され、これからの本拠地形成がしだいに進み始めました。

「新しい酒には新しい革袋が必要である」という諺があるように、新たな革袋としての「屋外にリビングがある家」ができましたので、それにふさわしい「酒」が必要になります。

モンドセレクション最高金賞を三連覇した大吟醸酒『錦』のように、酸味とコクがあり、キレがよく、そしてまろやかさを兼ね備えた申し分のない酒としての機能が重要なのです。

優れた機能を発揮するための革袋、すなわち「屋外にリビングがある家」は、大きく、居住部分、中庭、事務所の3つに分かれます。

最前者における特徴の第1は、APS工法という木材組み立て法を用いたこと、また、壁の内外には、ホタテの粉を使った抗菌・脱臭仕上げと「そとん壁」という鹿児島のシラスを用いた工法が採用されたことです。

前者においては、寸分の狂いもなく、しかも容易に柱や梁の組み立てができ、なおかつしっかりした骨組みを形成することができ、それらをそのまま露出させるという、建築士山中さんのアイデアが生かされることになりました。

また、後者の「外壁」においては、雨の降るごとに、色が変化し、徐々に白い色としての輝きを増してくるというのですから、その変化を不思議に思って見守っています。

第2は、宮崎の杉の木がふんだんに使用されていて、それこそ杉の材木の中に部屋があるという空間が形成されています。

これは、森の木々の中にいるのではないかと思わせるほどであり、あたかも自然のなかにいるような気分を醸し出させるようです。

杉は、水分をよく吸いこみ、よく吐き出すそうですから、家の柱や梁に用いるのによい素材と位置付けられているという説明を受けました。

この杉の木の香りが部屋中に漂い、白壁の間に杉の木肌が露出していて、この自然感覚が素敵です。

第3は、照明に工夫がなされ、各蛍光灯までも、特別の和紙で包まれていて、独特の柔らかい光が放たれていることです。

第4は、床に最高級の桜の素材が用いられ、赤茶色の床と白い壁のコントラストが非常によいことです。

また、この床の肌触りがとてもよく、材料屋さんが最高クラスの素材である意味がよく理解することができました。

第5は、リビングの吹き抜け空間が大きくて気持ちよく、さらに光が溢れる空間になったことです。おまけに断熱がしっかりしていて暖かく居心地のよいリビングにもなりました。

第6は、マイクロバブル風呂です。扇形の湯船にマイクロバブル装置を配備し、伸縮が自由な金属製ホースへの取り付けを可能としました。また、ポンプ部分を床下に配備できるようにしました。

これからもっと知恵を絞り工夫をして、お客さんに喜んでいただける風呂に仕上げていきたいと思っています。

第7は、書斎兼寝室の備え付け本棚の奥行きを深くしたことです。これによって大量の書籍と書類の収納が可能となりました。

このように、さまざまな機能と工夫が配備された居住部分ができあがりました。これも設計を行った山中さんや大工の運乗さんのおかげです。改めて厚く御礼申し上げます。

以上、住居部分だけでも、少なくない特徴を有する「屋外にリビングがある家」となりました。

これを、「グリーンサンハウス」を改名し、これからは「グリーンフォートハウス(緑の砦の家)」と呼ぶことにしました。

つづく

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リビングから南東を向いて撮影