これまで,全国各地でたくさんの名物といわれる美味しい食べ物を賞味してきました.その体験的学習によって,食べ物の評価を自然にできるようになりました.

さて,この「たち重」ですが,これは大分県宇佐市「志お屋」の「うな重」に匹敵する第一級の料理だと思いました.

「うな重」ほどの重量感はありませんが,それがかえってよく,年をとると,この程度の淡白さが丁度よいともいえます.

それから,太刀魚そのものが,どうも違うようで,ここは「銀たち」といって,独特の色と味があり,それに新鮮度も加わって,この抜群の美味しさが加わったのではないかと思います.

料理は,あまり難しいことをいわず,まず食べてみて,その味に感動するかどうかで決まりますが,この「たち重」には,その感動の要素があるように思いました.

3人とも,このすばらしい太刀魚料理にしこたま満足し,店を出ました.

昼からも,御前中の議論を継続させました.出そろった第1案から第5案までを再検討して,これを新たに組み換え,さらに追加をして,最終的に4つの案にまとめることができました.

この過程で,議論とはしてみないとわからない,あるいは,考察とはしてみないとわからない,案やアイデアも具体化してみないとわからない,さらには,アイデアも図化してみないとわからない,このようなことがいくつも起こっていきました.

これぞ,集中的議論の産物ではないかと思うことがいくつも出そろいました.

これらの一応のアイデアが出そろうと,その優先順位が決まり,それを実験する課題も見えてきました.

おかげで,彼は,「本日は,これで帰れます」という表情になっていました.

帰り際,「どうでしょうか,国東下村塾の第一期生になっていただく件は・・・・」

もちろん,二つ返事で快諾していただき,これで第一期生がまた一人加わることになりました.

この議論は,今後のブレイクスルー技術の開発において,非常に重要な課題ですので,今後も継続させていきたいと思います.

「国東下村塾の具体的形態としては,このような議論の場もありうるのではないか」

このような経験をさせていただいた2日間となりました.

つづく

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