ここらで、K1さんの便りの続きを示します。


次の日の朝、女房が顔を合わせるなり、「なに、その傷!」とびっくりしておりました。

「大丈夫!」と心配そうでした。

そして昨晩の出来事を話すと、「ばかねえ、」、フンと鼻で笑われ軽蔑されました。

さっきまで心配していたのに冷たいものでした。

そして少し傷跡が腫れていましたが、そのまま出勤したのです。すると職場の仲間から、

「どうしたのですか、いまからでも医者に行ってください」

といわれ、

「いやあ大丈夫。」と、照れながら、そのまま医者にも行きませんでした。そして帰宅後その日もMB風呂に入りました。

次の日には傷口が乾き始め、それでもパックリと大きな傷が残っていました。

日にちが経過すると、腫れもひいてあまり目立たなくなりました。

パックリと開いていた傷口も平らになり始めていました。

そして丁度一週間が経ったおり、少しかゆいので意識をしないまま、その傷口をさわってしまったのです。

するとパサッとかさぶたがとれてしまいました。

すこし跡のようなものがほんの少し残っていましたが、ほとんどあのおおきな割れ目が平らになり治ってしまっているのです。

傷口を縫った場合まだたぶん薬をつけて治療を続けていたと思います。

そしてその後、いまでは全くケガなどしていなかったようにもとの美顔に戻ったのです。

こうなることを女房は予感して「まったくとりあわなかった」のだと、その先見の明に感心したのです。

「苦みばしった凄みの効いた顔」にはなれなかったのです。

冗談のように書きましたが、その日は電車の床に血をぼたぼたとこぼし、泣きそうになりながら帰りましたが、どうしてこんなに簡単に、傷跡も残らず治ってしまったのか不思議でたまりません。

いまの顔を見れば誰にも信じてもらえないと思います。

次の日に目撃をした会社の同僚もすっかりそんなことがあったのは忘れてしまっているでしょうが、そのおおきな傷についてははっきりと記憶していると思います。

思い出すまま書きました。

つづく

国東空

国東の夏空