2日前から、小さな、しかし、少なからず意味のある実験を開始しました。現代は、
地球環境の行方が危うくなってきている時代です。加えて、資源や食糧の値段が高
騰したために、企業の利益が吹っ飛んでしまうほどの深刻な状況になりつつありま
す。さらには、ストレス多き社会でもあります。
このような社会で、人々は何を望み、求めているのでしょうか。その根本的な問い
かけに真正面から取り組む必要があると思っています。私は、そのキーワードのひ
とつに、「安心立命」があるのではないかと思っています。
昨日報告を受けましたが、あるプロ野球選手が直接語ってくれたそうです。昨年
は、彼がチームの大黒柱、獅子奮迅の大活躍でした。しかし、その疲れがシーズン
終了後にどっと押し寄せ、腕もあがらない、そして夜も眠れない日が続いたそうで
す。身体を酷使した結果であり、いくら頑健な選手でも、その限界を超えると、後々
まで響く典型例のように思いました。その彼が、親しい友人の勧めで、拙著『マイク
ロバブルのすすめ』を読まれたそうで、大変興味を持たれたそうです。今度、近いう
ちに会いに行きたいと思っています。
さて、ストレス社会に打ち勝ち、「気分前向き」にたくましく生きていくには、ちょっと
としたことにも動じない「安心立命」の拠り所を見出していく必要があります。平たく
言えば、「こころ」と「からだ」の両方の健全化が可能な基盤を自分の中につくること
が求められることになります。
それには、自然と親しむことも重要な方法のひとつと考えられます。あるときテレ
ビで、宇宙飛行士が宇宙で、持ち込んだ麦の葉を触っているシーンを見たことがあ
ります。なんと、飛行士が、麦の葉を手で直に触ると安心感が出てきて癒されると
いっていました。
ところが現代人には、たまの休みでも、自然に親しむために出かけることができ
ない方も大勢おられます。そのような方ほど、自然に親しむ「癒(いや)し」を求めて
いるはずです。しかも、安全で「生き生きした自然」を「手作り」で実現したいと思って
おられる方も少なくないと思います。
そこで、前述の「野菜革命」で登場した㈱APJの山根さんの協力も得て、小さな水
槽で野菜づくりに挑むことにしました。無農薬の安心栽培です。
この実験が開始されて、その担当の学生の目の色が変わりました。私は、かれに
こういいました。
「生かすも、殺すも、あなたしだいです。自分の子供だと思ってケアをしてくださ
い。まずは、毎日観察して、その成長ぶりを確かめてください」
いつにない「はい」という、非常に元気のよい返事がありました。
まずは、彼が、この実験を成功さえ、毎日、少しづつですが、安全でおいしい野菜
を賞味することができるかどうか、結果は1~2か月後に出てきます。
その間には、厳しい夏の暑さに野菜が耐えられるか、その問題も問われることに
なります。
今年の夏の楽しみが、またひとつ増えたような気がしています。そのなかには、
野菜だけでなく、その担当の学生の成長の分も含まれているからで、さらには、私
のストレス解消にも結びついています。
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