27日午後から、ブレイクスルー技術研究所阿智(阿智村浪合支所内)において、第1回全国高専阿智サミットが開催されました。

 参加者は少し少なかったのですが、参加した高専教員、企業、高専生の全員が研究発表を行い、活発な討論を行いました。

 これは、非常に小さな一歩に過ぎませんが、今後の発展につながる重要な「希望の一歩」といえます。
 さて、このセミナーのハイライトは、なんといっても高専生が活躍したことです。

 4月以来、この発表会に向けて努力してきた学生もいて、大変立派な発表を行うことを通じて自らが成長するという姿が認められたことです。

 教員と学生たちがともに学び、成長し合う、そして全国的な規模で交流することの大切さが明らかになりました。
 なお、参加した高専は、北から、鶴岡高専、鈴鹿高専、高知高専、徳山高専の4つですが、来年は、これを倍以上に増やして盛り上げていきたいと思います。
 ところで、この浪合地区には、大変めずらしいものがいくつもありました。その一つは、その阿智支所とその前にある小・中学校の校舎です。

 これらは、とても近代的な建物であり、聞くところによれば、日本建築学会賞を受けたものだそうで、非常に立派なものでした。
 もう一つは、季節のものですが、トウモロコシの美味しさでした。

 この地区は、温暖の差が激しく、水も美味しいことからでしょうか、とにかく感激するような今まで食べた事がないようなトウモロコシでした。

 このトウモロコシを先生方と学生のみなさんにも食べていただきました。
 このサミットのもうひとつのハイライトは、
元木更津高専教授の久松俊一先生による特別講演でした。

 先生は、木更津高専で行われていた「特別研究」の成果を具体的に示す、なかでも、ある女子学生(3年生)の取り組みについて詳しく紹介されました。
 この特別研究は、1年間という長期に渡って、自分が決めたテーマについて調査研究を行い、その成果を論文として仕上げて提出するというものでした。

 この論文において、その女子学生は、なんと400字原稿用紙において409枚も書いて提出したのです。

 そして、これを契機に、この学生は、みごとに成長していきます。

 卒業後は、長岡技術大学へ進学、オックスフォード大学への留学、外国企業への就職と進み、現在はアメリカで大活躍されているそうです。
 久松先生によれば、この409枚が彼女の「ブレイクスルー」になったのではないかと強調されていました。

 このブレイクスルーの実話に対して高専生が反応したのはもちろんのことですが、先生の話は、高専生に大好評でした。

 なかには、弟子入りしたいという高専生も現れ、先生のことを「師匠」と呼びだしました。

 これを聞いて、当の本人の久松先生が喜んだのはもちろんのことでした。
 翌日の28日も研究発表会と討論が行われましたが、この間で学生たちの表情や言葉使いが見事に変わっていきました。
 彼らにとって、とても印象深い経験になったからで、来年からは高生自身がより主体的に取り組む方式にしたいと思っています。

 サミットが終わって、各高専の学生たちが、とてもさわやかな顔をしていたことが何よりも貴重な成果だとおもいました。


 

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