「博士の愛した数式」である「オイラーの等式」の数学的意味について,友人の数
理物理学者のF先生に尋ねてみました.おかげで,彼の説明によって,その意味を
理解させていただきましたが,それは彼のオリジナルの解釈だというので,それを
尊重して未公表にさせていただきます.
かの有名な物理学者のファインマンさんが,「オイラーの宝石」と呼んだように,あ
る「展開」を連想させる式のようです.
昨年の後半以来,「夢中」になってマイクロバブル実験を繰り返しています.この
ようになることは久しぶりで,似たような若い時の「体験」を思い出します.あの頃
は,意味もわからずにがむしゃらでしたが,歳を重ねると,少しは賢くなれるからで
しょうか,最近は,その意味を理解し確かめながら,取り組みを深めています.
周知のように,世界中で本質的な経済危機が深く進行しています.また,その進
行とともに,それを根本的に打開することを可能とする新たなブレイクスルー技術
が出現することの重要性をますます明らかにしています.そのブレイクスルー技術
によって,新たな社会的経済的価値を創造することが本質的に求められているの
です.
その意味で,研究者が単に研究をして論文を書く程度で済まされる時代は過ぎて
しまい,その技術開発に真正面から取り組めるかどうかが真に問われるようになり
ました.
その技術開発は,従来の技術の常識を覆し,技術者を変革し,さらには新たな産
業を生み出すことを可能とするものですから,それはなかなか容易なことではあり
ません.
かつて,ソニーでロボットの「アイボ」を開発した土井さんが,これまでを振り返って
次のようにいわれていました.
「かつてのソニーでは,10年ごとに大ヒット商品が生まれていた.それを可能にし
たのは,20名前後の『燃える集団』が形成されていたからだ!」
それでは,この燃える集団はどうしてできたかが気になります.その核には,一
人,二人の技術者がいて,その方が夢中になって取り組んでいたものがあったそう
で,それを見て,「それは面白い,それを実現しよう」と,みなさんが自発的に集まっ
て,それが形成されていったようです.
この過程に普遍性が認められるとしますと,次の4つが重要になります.
①夢中になるほどの課題を見出し,その解決のための実践を行うこと
②その実践を周囲が理解し,認めること
③燃える集団を形成すること
④燃える集団の独創性発揮による新産業づくり
これによって,桁違いの独創性が発揮され,ブレイクスルーが起こる可能性が生
まれるようです.
となると,まず,この①が重要で,これがないと②以降には進めません.しかも,
それには,夢中の度合も関係していて.それが深ければ深いほど,ブレイクスルー
へと発展する可能性が多いように思います.
その意味で,夢中の質と度合がより本質的に問われるようになってきたのだと思
います.
(この稿続く)
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