本日は、周南市長穂(車で山手に40分ほどの位置にある)の小学校に出前授業

に出かけました。2年生から6年生までで総数28名でした。授業のテーマは「防災」、

川で起こる災害をどのように考え、防ぐか、これらを勉強していただくことにしまし

た。

 まず最初に、川が氾濫する水害の映像を見ていただきました。一連の日本で起き

た水害の様子です。すさまじく、水が氾濫する様子が次々に流され、生徒たちは、

まさに災害列島の映像を興味深く観ていました。

 さて、次は、風船を用いて、圧力を勉強しました。水の圧力を教えて、それが、川

の堤防の決壊に関係することをしっていただくための教材です。集まった全員が一

斉に風船を膨らまし始めましたが、2年生の二人がどうしても風船を膨らますことが

できません。肺活量が足りず、いくらやっても駄目で、私や先生の手助けを借りてよ

うやく、全員がそろいました。そこで、一斉に飛ばし、その軌跡をしっかり観察する

ようにいいました。

 「どのように動いたですか?」と聞くと、「ぐるぐる回っていた」という答えが返って

きました。「なぜ、ぐるぐる回るのですか?」と再度尋ねると、「空気の出方が変わる

から」というので、ここまでは満点の答えでした。

 そこで、「どうして、風船のなかから空気がでるの?」、「出てくるものは何?」とた

ずねると、はたと困ってしまいました。風船を膨らましたときに、なかから空気が出

てくる理由を理解していないから、答えに困ってしまったのです。「何が出てくる

の?」、「空気!」、「中身は?」、「二酸化炭素!」、このような押し問答が続きまし

た。生徒たちには、「圧力」という概念を理解していないので、いつまでも平行線で

した。

 この平行線を踏まえて、「圧力」、「水圧」を教えるために、まず、風船を持ち出して

次のように尋ねました。

 「ここに、2つの風船を連結させて管があり、その途中を空気が行かないように遮

断しています。ここを開放して空気を通過させるとどのようになりますか、左右の風

船の大きさは大小違うサイズにしています」

 まず、5年生の大柄な生徒が手を上げ、小さい風船が大きくなるといい始めまし

た。その結果、大きい方は小さくなる、つまり最初の状況とは反対になるといった

のです。この意見に賛成の人は、その生徒の周りにあつまってくださいというと、み

なぞろぞろと大半が集まりました。残りは数人でしたので、違う意見かときくと、そう

だといいました。そこで、次に、2つの風船の大きさが同じになるというと、そこに

4、5人が集まりました。残りは、小さい風船がより小さくなる、大きい方はより大きく

なる、これが最後のケースですが、これにはわずか二人が賛成しました。

 先生方も、どれかに入ってくださいと選択を迫ると、すべてが、その前二者の輪に

入っていかれました。

 そこで、風船を掲げどうなるかをみなさんの前で示しました。結果は、最後者の2

人だけが正解となり、先生も含めてほとんどが間違っていることが明らかになりまし

た。いつもこのような正解率ですが、ここでは、世の中には、間違えることがたくさん

ある、先生であっても間違えることがあることを教えることが重要だと思って、それ

を強調させていただきました。

                                         (この稿つづく)

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