拙著『マイクロバブルのすべて』において、マイクロバブル技術が明らかになる様

をジグソーパズルに例えて、次のように述べさせていただきました。

 「これをジグソーパズルに例えれば、何もないキャンパスにパズルを置き始め、そ

れが何枚か組み合わされると、ようやくそれを中心に。おぼろげな『かたち』が見え

始める状態に近かった。これでは、そこから、何が浮かび上がるのか、その真の姿

を誰も想像することができなかった。

 しかも、私たちの認識には、錯覚や思い込みもあり、ようやくパズルを組み合わせ

たと思っても、それが間違いで組み直さなければならない場合や、『おぼろげ』の画

像から真実とは異なる絵模様を推測してしまうこともあった。

 それゆえ、何が起きているのかをしっかり観察し、そこに『大切な何か』を見出すと

いう『リアリズム』を、どこまでも洗練化しながら徹底して追及する必要があった。そ

の基本を踏まえ、次の段階では、それぞれのミラクル現象を『科学のメス』で洞察

し、その本質を、粘り強く明らかにすることが重要となった」

 すこし、引用が長くなりましたが、これが約3年前に述べさせていただいたマイクロ

バブルに関する現象認識、つまり「考え方」でした。

 この3年を経て、その執筆当時とは明らかに異なることがいくつか生まれてきまし

た。

 その第1は、パズルを集めたブロックが何であるかについて、ある程度の予測が

できるようになったことです。これには各パズルの情報の蓄積がなされたからで、

部分的な絵模様が何であるかの認識においても発展があったからでした。

 第2は、その絵模様に関する誤った認識が回避され、より真実に向かう可能性

が高まったことにありました。

 第3は、それらの結果として、より本質的な科学的解明が必要とされるようになっ

てきたことであり、簡単にいえば、その解明がより難しくなってきたことです。

 このジグソーパズルを題材にしてマイクロバブルの認識問題を論じてきた理由

は、その個別課題と全体像を、いかに統一的に理解するかという問題ですが、当

初は、それをうまく理解することができなかったので、「あっち、ふらふら、こっち、ふ

らふら」の状態に陥ることが多く、よく1枚の紙に全体を描き込み、それをじっと眺め

ることがよくありました。

 ところが、最近になって、この「じっと描いた全体を観る」ことが多くなりました。

 「いったい、どうなっているのだ? さて、これからどうするか?」

 このように考えながら、そのマップを描いては眺める、これを繰り返しているので

す。

 つまり、新たな「ジグソーパズル」状態が生まれていて、それを包括的に理解する

ことが必要になってきているのです。そこで、このパズルを3年前のパズルと比較し

ますと、それはどのような関係にあるのでしょうか。

 時間軸は明らかに3年ずれています。さらに、個別のパズルが有する現象はより

高次で本質的になっていますので、そのパズルの模様や形状はより明確になって

きているはずです。

 となると、この両方のパズルを描くことにしますと、それは二階構造になります。

横軸は時間、縦軸は高次性、奥行きは分野の広がりになりますので、この構造は

なかなか複雑です。そして、問題は、そのパズルの具体的中身ですが、それら

は、すでに明らかにしているように、①健康・医療,②食糧・バイオ,③水,④

環境・エネルギーの4つに関わるものです。

 このジグソーパズル、ますます複雑な様相を帯びつつあります。

J0404093