研究室の移転,墓掃除,お盆,研究室移転後の荷物の整理など,慌ただしい生

活が続いています.久しぶりに早朝散歩を兼ねて喫茶店に立ち寄り,ブログの記事

を書いています.

 さて,高松市で開催された第7回全国高専テクノフォーラムについての報告を進

めることにしましょう.

 パネル討論会での私の報告は,「マイクロバブル技術による『植物工場づくり』」と

題するものでしたが,それは,マイクロバブル技術が次の問題の解決に挑んだもの

でした.

 ①安全で美味しい野菜を栽培する.

 従来の植物工場における「野菜づくり」は葉菜類が主力であり,果菜類(トマト,

キューリなど),根菜類(ニンジンイモ類など)を栽培することが重要な課題となって

いました.もちろん,無農薬で,用いられる肥料のなかにも危険物質が含まれない

安全な栽培法の確立も重要な課題となっていました.そして,何よりも重要なこと

は,美味しい野菜づくりが,どのようにして可能になるのかを解明することでした.

 毎日の食卓において,野菜が出ない日はありません.美味しい料理や健康の維

持のために,野菜の摂取が不可欠であることは誰もが知っていることです.しかし,

その野菜が本当に美味しいかどうかについては,それが毎日のことだけに,しらず

しらずのうちにあいまいで不明なことになってしまっていたことに気付かないように

なっていました.つまり,野菜を美味しいとは思わなくなり,それが,野菜の摂取量

が自然に減っていたことにも気づいていなかったのです.

 よく,お母さんは,自分の子供に,「身体によいから,野菜を食べなさい」といいま

すが,「この野菜,とっても美味しいから食べてごらん」とはいわなくなってしまってい

るのです.

 私も同じで,「マイクロバブル野菜(㈱APJにおいては『百年野菜』といわれていま

す)」に出会うまでは,その会話の「違い」に気づくことはありませんでした.つまり,

野菜が美味しいか,美味しくないかは,本当に抜群の美味しさを有する野菜を味

わってみて,その自覚が生まれたときに理解するものであることに気づいたのでし

た.

 7年前に,北海道電力のある有力幹部が,「北海道大学の入学者の80%が何ら

かのアレルギーを有している,この結果は100年後に人類が身体的に滅んでしまう

ということを意味する」と述べていたことを聞いたことがあります.そして,その方

は,今,北海道に必要なことは,「『農業高専』を創設することである」といいました

が,この指摘は,「農商工連携」とまでいわれるようになり,まことに「的を射た」も

のであることが明らかになりつつあります.

 すなわち,子供たちや私たちが,自然に野菜を食べなくなった理由は,毎日の食

卓に,「とても美味しい野菜」が出なくなったことにあり,それが,上記の「身を滅ぼ

す」と予測される事態と関係しているとすると,現在の野菜をめぐる状況は決して

安心立命とはいえません.

 そこで,「美味しい野菜とは何か」,この問題をマイクロバブル野菜を通じて究明

することの重要性に気づくことになりました.

 さて,野菜の「美味しさ研究」を,どのように進めたらよいのか,いろいろと思いを

めぐらすことになりました.

                                             (つづく)

J0421824