セミナーの2日目は,朝からマイクロバブル実験を行いました.石田先生に,どな

たか,ご希望の方はいませんかと被験者になることを依頼したところ,二人の女性

の希望者がありました.ともに手足が冷えて日常生活においても難儀をされている

方々で,被験者としては「申し分のない」方々が得られたことになりました.

 さっそく,その手足をサーモグラフで計測すると,その指の温度は24℃前後しか

ありませんでした.これでは大変な不快感やしびれ,さらには痛みも発生する場合

もあり,その改善は重要な問題となっていました.

 まずは,手の方からですが,両手の指の色が,それこそ血の気がなくなった色を

していて,そこを触れば冷たい手になっていました.

 「水洗いが大変ですね」

 「そうです.冬になると,お湯でしか水洗いができません.大変苦労しています」

 「それでは,まず片方の手のみを入れる実験から開始しましょう」

 こういって,片方の手を5分間,マイクロバブル水槽の中に入れていただきまし

た.

 水温は33度程度でしたので,体温よりは低く,冷たくなった指よりは高い温度に相

当していました.

 5分して,指の色が変化していましたので,「どうですか」と尋ねると,「とても,気

持ちがよいです」という返事がありました.これこそ,冷たい指の劇的変化の始まり

でした.

 10分後,20分ごと,その変化を追いましたが,指も掌も,ピンク色の本当に美しい

手に変化していきました.私は,こんなに「美しい手になるのか」と吃驚しました.

 その後,自由に「両手を浸けてマイクロバブルのここちよさを味わってください」と

いうと彼女は,心行くまでマイクロバブルを味わっているようでした.

 ここで重要なことは,指の色が変わって美しくなったことだけでなく,その不快感が

なくなり,逆に,「ここちよい」感情が生まれたことでした.ですから,より長時間,マ

イクロバブルに浸っていたいという思いも出てくるのでした.

 マイクロバブルによる見事な手の変身が実現されましたが,これは,指を冷たくし

て苦労されている方々には小さくない朗報といえます.

 「今晩,どうなるか,観察されてください」

 そういって,このマイクロバブル実験を終えました.

                                             (つづく)