豊橋技術科学大学におけるマイクロバブル実験において,より劇的な変化が起き

たのは二人目の女性における実験でした.手足がともに冷え身体が痩せてしまうと

いう悩みを持たれていたようで,それがどのように改善されるか,ご本人も私たちも

大変興味を抱かせていただきました.

 実験は,マイクロバブル発生装置10機が配備された,ある意味で強烈な装置でし

たので,改善結果が非常にわかりやすいものでした.水温は33度として,ほとんど

温度の効果が出ないようにして両足を水槽内に入れていただきました.同時に血

流計測を浸潤させた足と空気中の手において行い,それらの変化を追跡すること

にしました.

 実験前に,赤外線カメラで,手足の温度を計測しましたが,それらは25度前後し

かなく,冷たい手足になっていました.手足が冷えてくると,しびれや痛みと同時に

不快感が出てきてリラックスができなくなります.

 本実験の目的は,マイクロバブルで血流促進を起こし,足を温めることによって全

身も温め,不快感の解消とともに,そのリラックスをしていただくことにありました.

 実験開始とともに,大幅な血流促進がなされたので,周囲の方には,何か間違い

が起こっているのではないかと思われる方もおられました.しかし,5分,10分と経

過すると,まず,足の「くるぶし」の部分が温かくなったという報告がありました.「気

持ちがよいですか?」と尋ねると,「とても気持ちがよいです」という返事がありまし

た.

 続いて,20分もすると足全体が温かくなったという感想が寄せられましたが,同時

計測の手の方の血流促進は,さほど実現されていませんでした.つまり,全身の血

流促進には至っておらず,それには時間を要するようでした.

 そこで,マイクロバブルの発生を短時間停止し,その後は,手も液体の中に入れ

ていただきました.マイクロバブルを直接受けると,足同様に手の指においても,そ

の大幅な血流促進が実現されました.そのことを確認して,さらに,短時間の休憩

を取りました.

 しばらくして,実験を再開したのですが,浸潤した手の方で,時間の経過ととも

に,その血流量が大幅に増加し続けたことに少々驚いてしまいました.すなわち,

この手の指は,短時間の休憩を挟んで2度目のマイクロバブル受容でしたが,その

二度目にはまったく異なる血流量の増大傾向を示しました.さて,これは何を意味

することなのでしょうか.私には,とても重要なマイクロバブル再反応ではないかと

思われました.

 こうして約1時間半にわたる実験を終わりましたが,この被験者の女性がとても喜

ばれていたことが何よりでした.

 その後,同じ実験を装置を用いて,別のグループのみなさんと共同で「脳波の実

」を行いました.

 この途中に,豊橋技術科学大学のいろいろな先生が見学に来られ,そのなかの

少ない方々が,ご自分で水槽内に足を入れて,マイクロバブルを体感されていまし

た.

 こうして,2日間にわたるセミナーを無事終えることができましたが,少なくない収

穫があったセミナーとなりましたので,その後の昼食兼反省会を「カッパ寿司」で行

いました.回転寿司屋でありながら,それとは別系統の超特急列車で鮨が運ばれ

てきたのには驚きました.これには,N大学のT君も参加されました.彼は,私の研

究室でマイクロバブル研究をしたいと志願してきた学生ですが,そのセミナーに参

加していただき,実験の手伝いもしていただきました.彼にとっても,とても印象に

残った2日間のようでした.

 この反省会を終え,私ども一行は,今度は一路,三重県の津市を目指しました.

                                            (つづく)

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