浄水場池の水質において,昨年と今年の違いは,アオコがまったく発生していな

いこと,また,透明度が格段に進み,その値が3m前後を示していることにありまし

た.

 まず,最初に見つけたのは菱の隣に群生していたエビモという水草でした.マイク

ロバブルが発生している装置の傍でもあり,およそ,その直径が数メートルの範囲

でエビモがぎっしりと生えていました.その様子を下の写真に示します.

 この水草は,日本各地の湖や河川に生息していますが,これも,富栄養化(栄養

が入ってきて汚れてしまうこと)の過程で出現する水草といわれていますので,その

意味では菱と同じ生息因を有していると思います.

 一方で,エビモも菱も,よりきれいな水での生息を好みます.たとえば,最近の諏

訪湖では,エビモの群落は,その透視度が増えるほど,より拡大しています.

 これらのことをわかりやすく説明させていただきますと,最高にきれいな水環境か

ら,やや汚れ始めた水環境に生息するのが,このエビモや菱といえます.

 今回の浄水場においては,すでに菱が生息していて,マイクロバブルの供給後

に,より浄化が進み,そして新たにエビモが生まれたと考えられ,その発生は注目

に値する現象といえます. 

 しかし,このエビモの大群も,池内に大きく進出するほどには至りませんでした.

 その意味では,菱と同じ生息状況に留まり,この池の水草の主役になることはで

きませんでした. 

Dsc04069_2

新たに発生したエビモの大群

                                              (つづく)