オオカナダモの大群の出現は,さらに水質浄化が進んだ証拠でもありました.昨

年と比較しますと透明度で,今年は約2mも差がありますので,そのことからも池の

水がきれいになったことが裏付けられています.

 実際に,水深が3m程度のところに菱が生息し,それよりも浅い所にエビモやオ

オカナダモがありましたが,いずれも,マイクロバブル発生装置の近くか,それが噴

出している方向で生育したものでした.

 これらの生息傾向を踏まえますと,きれいな水域に住んでいた水草が,そこが汚

れるに従って変遷して行く様子が明らかになります.実際に,霞ヶ浦では,この数十

年間にわたって,その水質悪化とともに,オオカナダモ→菱→アオコという植生変

化が起こりました.この変遷を踏まえますと,その逆が起こることは,時代を遡るこ

とになります.いわば,30年,40年前の自然の状態を再現させたことになるわけで

す.

 これは,とても重要なことであり,マイクロバブルが,その「時代を遡る浄化」を実

現させていることには「深い意味」があり,これこそ「環境蘇生力」を生み出す技術

に相当します.

 先日の調査では,さらにうれしいことがありました.オオカナダモ以外にも数種類

の水生植物群が生息していたこと,そこが,稚魚の住み家となり,たくさんの魚が

生息していたこと,そして澄み切った水を思わず飲みたくなって飲んでみたら,それ

が格別に美味しかったことも印象に残りました.

 これが,現在の「水のオアシス」の状況ですが,こらからさらに時代を遡って進化し

ていくでしょうから,こちらもさらに想像性を豊かにしないと,それについていけない

可能性がありますね.その時代を遡ることによって,近い将来に,50年,100年前の

姿が再現されるとなると,なんだかわくわくします.今後も,マイクロバブルと自然

の「蘇生力」に期待しましょう.

                                         (この稿終わり)

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葦が生息している池の奥側