周知のように、高専においては、創立以来変わらぬ教育目標として「実践的技術者の養成」が掲げられてきました。 しかし、この実践的技術者の養成論が系統的に深く研究されたことはなく、したがって、その内容をめぐっては、1)実験実習をたくさん行う教育、2)即戦力にな
高専教育
高専の未来図(17)技術開発とは何か(2)
前回の記事において示した「4つの切り口」を踏まえて、「技術開発とは何か」について論究を進めましょう。 そのために、その切り口を次のようにより簡潔化しました。 ①「創造性教育」における「創造とは何か」を明解に説明できない。 ②「創造的技術者の養成」という
高専の未来図(16)技術開発とは何か(1)
最近の高専における教育目標において「創造性」という概念がよく用いられるようになりました。 「創造的技術者」、あるいは「創造性豊かな実践的技術者」などの表現が、それに相当します。 しかし、その「創造的」や「創造性」を深く探究しようとした事例は意外にも少な
高専の未来図(15)日本高専学会年会(8)
10980年代から起こってきた高専における自主研究の髣髴とした流れ、それはいったいどのようなものだったのでしょうか。 その一つが、校長サイドから長掛で始まった木更津高専の一般科目教員を軸とした指向であり、もうひとつは全専協における教研集会での議論でした。 後
高専の未来図(14)日本高専学会年会(7)
高専史における第二期の特徴をやや深堀してみましょう。 以下は、前回の記事において指摘した二点です。 1)高専の校長のなかに、「このままでは、高専の存在意義が無くなってしまう。新たな意義を見出す必要があるのではないか」という声が出始め、今後の高専の在り方を
高専の未来図(13)日本高専学会年会(6)
高専の歴史において第二期を迎えることになったのは、国専協(国立専門学校協会)によって、それまでの高専教育のあり方が全面的に見直され、それが『高専の振興方策』として示されたことにありました。 これは、それまでの「実践的技術者の養成」、「中堅的技術者の養成
高専の未来図(12)日本高専学会年会(5)
想像しがたいほどの「多重大困難な時代をどう生き抜くのか?」、これが、講演の前半における私の「問題提起」でした。 その活路を、どう見出してゆくのか。 これを探究するために、これまでの高専教育を振り返ることにしました。 その最初のスライドを以下に示します。
高専の未来図(11)日本高専学会年会(4)
今朝は雨、この調子ですと、ひねもす、しとしとと雨が続くのかもしれませんね。 室温は24.9℃、湿度71%、あの暑かった夏も過ぎ去ったかのようですね。 昨日から、来週末にある第14回国東セミナーの準備を始めました。 この土日は、その準備に勤しむことになるでしょう
高専の未来図(10)日本高専学会年会(3)
多くて重くて大きな困難に直面する世の中、これからの高専生は、このなかでたくましく生きて行かねばなりません。 これは、高度成長から「奇跡の30年」に至る時代を生きてきた時代の若者たちが背負ってきたものとは、その種類、スケールや進行速度などにおいて本質的な相
高専の未来図(9)日本高専学会年会(2)
昨夜は、早く寝てしまったせいでしょうか。 朝4時に目が覚め、新聞を読んでから久しぶりに、朝風呂をたっぷりと楽しみました。 約2時間に及ぶ入浴、南側の窓を開けて朝の冷気が、ここちよく入ってきていました。 光マイクロバブルは、背中からと足側の両方から大量に噴
高専の未来図(8)日本高専学会年会(1)
昨日は、北九州高専で開催された日本高専学会第28回年会に参加しました。 この学会への参加は第2回からですので、すでに四半世紀以上の長い時間が過ぎたことになります。 私としては2年ぶり、今年の2月には、本学会会長の赤対先生が、大成研究所の「連続対談」に来てくだ
高専の未来図(7)
8月も終わりですね。 来月の1日からは、北九州高専で日本高専学会年会が開催されます。 久しぶりのことですが、私は、次の2つの題目で発表することにしました。 ①今世紀における「小さくない」地盤産業づくり ②製造業の再生を担う人々の課題と役割 この両課題は対
高専の未来図(6)磯田インタビュー(4)
鎖国時代の日本において、江戸が断トツの世界一の都市となり、ここで高度な都市文明が栄えました。 文書交換によるビジネス、東西を行き来する情報と物流、そして職業の細分化と高度化が図られました。 この決め手になったのが参勤交代でした。 磯田は、このように主張
高専の未来図(5)磯田インタビュー(3)
磯田が提唱した「反実仮想」を高専に適用してみましょう。 まずは、300年鎖国状態が続いた日本の首都江戸と高専を比較してみましょう。 「江戸を高専に置き換えてみたら、どうなるのであろうか?」 ふと、「これは、おもしろそうだ!」と、この反実仮想を思いつきました
高専の未来図(4)磯田インタビュー(2)
このビッグインタビューは、冒頭の「反実仮想」に関する指摘に続いて、さまざまな展開がなされていきました。 磯田は、江戸以来の近現代史を俯瞰しながら、外交の在り方について言及しました。 日本の外交が本格的に始まったのはペリーの来航であり、その江戸時代に関す