朝の将棋

 遅い朝食兼昼食を済ませてから、たいていは大成研究所の研究室1の机に向かいます。

 しかし、この時点においては、直前にいただいた食物の消化のために胃が活動していますので、その分脳への血液流入が減っています。

 寝起きのぼんやりさも手伝って、脳の働きが鈍く、すぐには考え事ができないままになっています。

 先ほどの胃の活動開始と同様に、脳のそれを効率よく開始するには適切な脳刺激が必要なのです。

 さて、自らの脳をどう刺激し、活発化すればよいのか?

 こう考えているうちに、「そうか、好きなことをすればよいのだ!」ということに気付きました。

 最近の私にとって好きなこととは何か?

 すぐに思いついたことは、大谷翔平選手の試合を視聴すること、そして藤井翔太八冠の将棋を観戦することの2つでした。

 もちろん、読書も好きなことのひとつですが、それは夜の入浴時とその後に行うことが定着していますので朝向きではありません。

 そこで閃(ひらめ)いたのが、東大将棋ソフトがあったことでした。

 ここには、「将棋大会」というプログラムがあり、それぞれ6種類の水準があり、下位から勝ち進んでより上位へと向かうことができます。

 私の丁度良いのは、勝ったり負けたりができるランクであり、勝てばうれしく、負ければ悔しく、これを繰り返す水準のものです。

 より具体的には、連続して4番勝ち抜かないと最終的な勝利を修めることができません。

 とくに、その決勝戦においては、ソフトの方もより難敵にしているようで、これに勝利するには、それなりに、こちらも作戦を練らねばなりません。

 この対戦を繰り返しているうちに、相手の出方がわかるようになり、「これで勝つ」という「一手」を指すことができるようになりました。

 しかし、敵もさるもの、負け続けてばかりではなく、あの手この手とそれなりに工夫をしてくるようで時には負け続けてしまうこともあります。

 また、この対戦においては、早指しを基本としていますので、ほぼ数秒以内に手を進めていきます。

 そのために、敵の次の指し手を見抜けない場合もあります。

 そんな時は、すぐに投了し、また新たな戦いを挑みます。

 これを5、6回繰り返していると、しだいに頭の方が正常化して冴えてくるようになります。

 そして「もういいかな?」と思うようになってから、その戦いを止めて、次の仕事に取りかかります。

 これを昔流行った単行本名に因んでいえば「頭の体操」を終えたことになります。

 さて、次に何をするか?

日記

 まずは、日課を記したPC上の日記帳を取り出し、その確認と追加を行います。

 これがあると、各種の仕事を忘れることがなく、また、新たな課題の挿入も可能なので、日課の全体を理解できます。

ーーー そうか、今日は、これを行なうのが大切だね!

という自覚がかにうになります。

 また、上記の将棋ソフトとの「戯れ」では、根を詰めた仕事を行っている時には、その息抜きにも便利です。

 これによって2、3戦の勝ち負けを経験すると、その懸案の結構複雑な文書書きにも、積極的に挑戦できるようになりますので、この将棋による息抜きも、まんざら捨てたものではありません。

 こうして、日々将棋ソフトと格闘していると、全体の大局観、決め手となる、ここ一番という指し手の重要性、臨機応変の対応などのコツがわかってきます。

 将棋は、周知のように各駒の能力を最大限に生かして有利に戦いを進めていく遊びであり、この総力戦の細々は、日頃の仕事や人生においても役立つことが少なくありません。

 それから、この将棋に親しむことで、藤井八冠の創造的な読みの深さと確かさにも何となく接近できているように思えるようになることから、これも素敵なことといえそうです。

 さて、この将棋における私の目標は、残り3つのハイクラスにおいて勝ち抜いていくことです。

 これには、今よりもかなりハイクラスの修行が必要となるでしょう。

 そう考えると、その暁に至るまでに、相当に長い道程がありそうですね。

 その間は、この素敵な脳刺激に感謝していくことになるでしょう(つづく)。

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満開の桜(近くの公園)