ファンダメンタルズ

 このところ異常な円安が続いています。

 二日前には、33年ぶりの円安というニュースが流れていました。

 この事態を迎え、財務省関係のチグハグな発言が目立っていて、そのことがメディアに批判されています。

 まず、財務大臣は、22日の記者会見において、為替市場において円安が進んでいることについて、「為替相場はファンダメンタルズを反映し安定的に推移することが重要だ」と述べました。

 この場合、ファンダメンタルとは、国や企業などの経済状況を示す指標のことで、「経済の基礎的条件」とされています。

  国や地域では、経済成長率、物価上昇率、失業率などがこれに当たり、個別企業では業績や財務状況、PER(株価収益率)などが挙げられ、これらは、いわば国力の水準を表わしています。

 すなわち、鈴木財務相は、今の国力に応じて、安定的に円が推移することが望ましいといい、なんと、この異常な円安を容認する発言を行ったのです。

 しかも、この円安容認をしながら、「緊張感をもってあらゆる手段を排除せず」に対処すると言い切ったのです。

 この財務大臣の頭のなかは、いったいどうなっているのでしょうか?

 おそらく、ファンダメンタルズを反映するということの意味をよく理解していなかったのではないでしょうか。

 この発言を受けて、円安はさらに進み、上記のように33年ぶりに円安を更新したのでした。

 この異常円安を容認することは、日本の国力が落ちていくことを容認していくことに結びつきますので、財務大臣は、国力が落ちていくことを緊張感を持ってあらゆる手段を排除せずに対応していくということをいってしまったのです。

 通常であれば、この明らかな失言によって大臣の首が飛んでもおかしくないことですが、メディアのほとんどは、その誤りを追求していませんでした。

慌てて大臣発言を否定

 しかし、この鈴木発言はあまりにも間違っていますので、それに財務省の幹部たちは吃驚仰天し、慌てて財務官が記者会見して大臣発言とは正反対のことを述べたのでした。

 25日に、財務省の神田財務官は、

 「今の円安の動きは、ファンダメンタルズに沿った方向というわけではなく、明らかに投機が背景にあるものと考えている」

と強調されています。

 これらは、筆舌しがたいほどに「ひどい話」ですね。

 おそらく、財務大臣の大きな間違いを指摘され、慌てて否定したのでしょう。

 財務大臣は、27日に、

 「あらゆるオプションを排除せずに、断固たる措置をとっていきたい」

と述べていますが、これがわずか5日後において起こった取り繕いでした。

 「あなたの5日前の発言は、いったい何だったのですか?」

 こういってやりたいですね。

 周知のように、円安の進行を防ぐのに最も良い方策は、為替における金利を上昇させればよいのです。

 お金は、金利の高い方向に動くのです。

 だれでも、この法則を知っています。

 しかし、政府も、そして日銀も、ようやくマイナス金利を終わらせたものの、少しも金利を上げられないという、いわば蟻地獄に落ち込んでいるのです。

 一度、金利を上げれば、自らが抱える膨大な国債の値段が急落していきますので、そうなるとよりたくさんの金利償還をしなければならないのです。

 これも、アベノミクスの下で、とんでもなく国債を発行し、それを銀行に買わせ、その後で日銀が買い戻したからであり、かれらは身動きができなくなっているのです。

 おそらく、かれらは何もできないままに、どこかで急激で大規模な破綻が襲ってきたときに、その大暴発が起こることになるはずです。

 その破綻が起きないと、かれらは真に反省をしないのではないかと思われます。

 どうやら、日本経済も、「ガラガラ・スッポン」の時期が近づいてきているような気がします(つづく)。

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                クリスマスローズ(前庭)