2つ目の宿題

 1つ目の宿題は、「試験場の土地」に生えた大きなハゼの木を切り倒すことでした。

 やれやれと一安心して、近くのコンビニに入って、お茶を購入、喉を潤しました。

 2つめの宿題は、お盆前に行けなかった墓掃除と「お参り」をすることでした。

 その墓地を訪れて驚いたことは、大きな木が、おそらくは先の台風によって倒れたのでしょうか、それによってたくさんのお墓が破損していたことでした。

 根元付近は、鋸で切断されていましたが、倒木は、そのままお墓に被さったままで放置されていました。

 一日も早く、この倒木の撤去とお墓の回復が望まれます。

 つい先ほどまで、大きな木の切り倒しに格闘していたことから、この程度の倒木であれば、すぐに片付けれるのではないかと思いましたが、他人様のお墓の上ですので、手を出すことはできませんでした。

 我が家のお墓は、案の定、枯れ葉がたくさん溜まっていていました。

 まずは、この落葉を上から順に落として下に溜まった落葉を履き寄せて片付けました。

 次は、水にぬらした雑巾に少量の洗剤を注いで、お墓の表面の汚れを拭き取っていきました。

 1年間において汚れは壁面に付着していますので、この雑巾が真っ黒になるほどに汚れていました。

 その後に、今度はきれいな雑巾に水のみをかけて、再度丁寧に拭いていきました。

 これらの作業で、お墓がきれいに清掃され、立派な見栄えになりました。

 最後は、持参した光マイクロバブル水を上からたっぷりとかけて潤してやりました。

 さぞかし、父母は喜んだことでしょう。

 みんなで参拝をして、お盆前に来れなかったことを詫び、安寧に天国で過ごされんことを願いました。

 先ほどの大木倒し、続いての墓掃除で、汗をびっしょりかくほどの労働を行いました。

 それらを終えた後で汗だくのシャツを脱いで着替えました。

 その折、ここちよい風が吹いてきて、安らかな気分に浸りました。

 「さて、これから、どうしますか?ウナギの志おやに行くには、少し早いようですが。

 今から行って弁当を頼んで、帰ってからウナギをいただくか、それとも、少し時間つぶしをしてから、17時の開店を待って食べに行きますか?」

 みんなの意見は、全員が後者の方でしたので、まずは、近くのスーパーに行って買い物をすることにしました。

 ここは、たしかに、買い物通路や商品の並べ方によい工夫がなされていましたが、肝心の商品価格が、国東と比較すると、いずれも割高でした。

 「これでは、積極的に買うという意識は出てこない。この地域の人たちは、これが普通のことだと思っておられるのでしょうから、その生活は楽なものではないかと推察しました。

 ここは、北九州市、中津市、そして大分市を結ぶ国道10号線上にあり、その物流も、それに沿ってなされているでしょうから、その商品価格も、それに沿って決められているはずで、そのことによって、すべての商品が国東の価格よりもかなり上高になっているのかもしれない」

 これについては、家内も同じ意見だったようで、少量の買い物しかしていませんでした。

 「たしかに、ここは近くにスーパーがあり、レストランや専門店もあって便利ですが、しかし、肝心の商品が、こんなに高いのでは、なかなか住むつくわけにはいきませんね」

 「そうですね。それに比べると国東は、本当に住みやすいところですね」

 そうこうしているうちに17時近くになり、志おやに向かいました。

 一番乗りで、私たちは入場し、すぐに「うな重」と肝の串刺しを注文しました。

 また、このウナギの時だけは、生ビールを飲むことにしていますので、家内と二人で、それを飲み分けました。

 生ビールは、ウナギによく合い、格別の味でした。

 少しこんがりと焼かれた肉厚のウナギが、特製のタレとよく合っていて、1年に一度のウナギの味をみんなで楽しむことができました。

 なお、このうな重の代金は、毎年家内の「おごり」になっていて、今回も、ごちそうになりました。

 Kさん、どうも、ありがとうございました。

 これで、二つ目の宿題を果たし、安堵しながら帰路に向かいました。

 折から、西の空は茜色に染まって美しく、素晴らしい光景の連続でした(つづく)。

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志おやのうな重