母の命日

 本日、9月1日は母の命日です。

 家内が、仏壇に果物を添えてくださいました。

 母は、1994年に逝去、享年70歳でした。

 若いころから洋裁が得意で、それで我が家の家計を支えていました。

 大学受験の際には、家族は、揃って金のかからない大学に進むことを望んでいましたが、母だけは、「心配せずに、あなたが生きたい大学にいきなさい」といってくれました。

 そして、大学、大学院と6年間、その内職をして仕送りをしてくださいました。

 母の念願は、私たちと同居して一緒に住むことでしたので、最後の十数年間において、母は孫たちと楽しく暮らすことができました。

 家内は、母から何枚もの舞台衣装を縫ってもらいました。

 子供たちも、母からお小遣いをもらっていました。

 その母が亡くなって30年近くが経過しました。

 その間に、子供たちも成長し、そして7人の曽孫(ひまご)が生まれました。

 母は、さぞかし、その曽孫たちを観て、喜ばれていることでしょう。

本好きの母

 母の好きなもののひとつに読書がありました。

 とくに、推理小説が好きでした。

 私が、出張に出かける際に、新幹線の駅の売店で行きと帰りに、その推理小説各一冊を購入し、それを読んで過ごしていましたが、その本を、帰ったら、そのまま母に手渡すと喜ばれました。

 とくに、森村誠一さんの推理小説がお気に入りでした。

 おそらく、私の読書好きは母譲りだったのですね。

 風 鈴

 昨年末から、前職場であったT高専における教育研究のまとめをしようと思って、その論文化という作業を遂行してきました。

 どういうわけか、それが未だに続いており、少々ロングランの取り組みになっています。

 現在は、その第六報の推敲中ですが、道半ばを過ぎて後半戦に向かったところでしょうか。

 これから、予定の残り三報を年内に認めたのちに、その後、どうするかを考えるつもりです。

 この執筆作業に取り組んだことで、好きな音楽を聴きながら筆を進めることが日常のスタイルになりました。

 お気に入りの音をいくつか紹介しておきましょう.

 ①水の流れる音:水が落下する際の音が、約8ヘルツであることを発見しました。

  ここちよさを覚える一因ではないかと感じました。

 ②ショスタコービッチのシンフォニー:第5番から10数番まで続くシンフォニーを聴いていると、なぜか、勇気が出てきて筆に勢いが出てきました。

 やる気も出てきて、ふしぎでした。

 ➂ハウザーのチェロ:ここちよい柔らかいチェロの音に魅了されました。

 ④そして、今は風鈴の音:そういえば、東日本大震災の緊急支援プログラムを実施した時に、新幹線の一関駅の売店で買った南部鉄器の風鈴のことを思い出しました。

 それを家内が探し出してくれました.

 それを扇風機の前にかざして、その素敵な金属音を聴き、楽しんでいます。

 風鈴といえば、高野長英の生家がある水沢駅を訪れた時のことを思い出します。

 そこには,駅のプラットフォームにたくさんの風鈴が設置されていて、折からのここちよい風に揺れて、何十という風鈴が一斉に美しい音を奏でていました。

 この初めての音に励まされながら、あの緊急支援プログラムを遂行するために大船渡に向かったのでした。

 あの高野長英の自宅にも、このような風鈴の音が鳴っていたのか、と想いをめぐらしました。

 今は、そのここちよい音に触れながら、再び筆を進めることに慣れ親しんでいます。

 これは、ここちよい微笑の音ですね(つづく)。
kunisaki
国東の森(梅園の里からの遠望)