未来は青年のもの (4)
大谷翔平選手が、頑張っています。
8日、かれは、2年連続二桁勝利、二桁ホームランという史上初の快挙を成し遂げました。
エンゼルスという、決して強くないチームのなかで、文字通りの孤軍奮闘の活躍ぶりが、全米市民の注目を集めています。
本来であれば、トラウトとレンドーンに挟まれた打順で臨むはずでしたが、その二人が故障してしまい、大谷が一人残っての活躍であり、見ていて痛々しいと感じるときもあります。
それは、2番大谷の前後の選手が目まぐるしく入れ替わるからであり、これでは、打順の効果が出てきません。
しかも、その大谷には休養日がなく、長期欠場の前のトラウトが定期的に休養日を取って休んでいたのと比較すると、そこにも大きな違いがあります。
大谷選手の事情に詳しい、前監督のマトン氏は、すぐに2日間の教養日を設ける必要があると訴えていますが、一向に、それが実現しそうにありません。
先日来、中指の豆の潰れ、両足の痙攣(けいれん)、中指の痙攣などが起こり、明らかに休養の必要があることに関する危険なシグナル現象が起きています。
大谷の疲労蓄積は解っていても、大谷自身が「行ける」といえば使う、かれを休ませると大黒柱が抜けてチーム編成ができない、ネビン監督は、こう思われているのではないでしょうか?
おまけに、ワイルドカード争いで、ほぼ絶望的な7連敗を喫しました。
このなかには、9回までは勝っているのに、最後に逆転されるという大変不幸な敗戦がありました。
しかし、その奈落への落ち込みのなかで、かえってヒーローとしての大谷が色濃く浮き上がってくるという現象が明らかになってきました。
三振しても
ヒットやホームランを打てば、もちろん大いに注目されますが、逆に三振しても、凡打でもあっても注目されるようになりました。
真にふしぎで稀有な現象といえます。
おそらく、かれの人間的な自己確立が遂げられようとしていることと深く関係しているのではないでしょうか?
それは、前人未到の二刀流という、あの偉大なベーブ・ルース以外は、だれもなし得なかったことをなし、しかも、そのベーブの記録を大きく塗り替え始めたからです。
大谷という日本人が、未開の荒野を新たに歩き、前に進んでいて、それをアメリカや日本のみならず、世界の人々が注視しているのです。
この大谷という青年が、荒野をめざして歩き始めたことは、これからも世界中の人々の心のなかを、より鮮やかに、風のように吹き抜けていくことでしょう(つづく)。
チューリップ(前庭、3月30日撮影)
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