来 訪

 先日、I市のOさんとKさんが来訪されました。7時間をかけての長い距離を走行されてのことで、ひと方ならぬ熱意を感じました。

 こちらには11時30分に到着され、そのまま「銀たちの館」へ直行しました。

 この日は、かなり花粉が飛散していましたので、やむなく私は同行を控えました。

 ここの名物は、「太刀重」という、「うな重」に似た料理であり、うなぎの代わりに特産の太刀魚が用いられていて、私の好きな料理のひとつです。

 もちろん、Oさんらは、珍しい料理をおいしくいただいたそうです。

 続いて、この「銀たちの館」からは車で20分のところにあるMOさんのハウスの見学に行かれました。

 すでに、本記事において紹介してきたように、MOさんによる注目すべき自然農法の実際を直に見学したかったそうでした。

 その見学を終えて、その感想を聞きました。

 Oさんは、次のように感慨を添えて仰らていました。

 「私の親父は、鶏の雄雌を見分ける仕事をしていました。その鶏糞で野菜を育てていましたが、その野菜とそっくりでした。

 私の背丈よりも大きなホウレンソウなどの野菜ができていました。

 その野菜を育てていた土とそっくりでした。

 やはり、農業は土が基本ですね。

 すばらしい土づくりがなされていて、久しぶりに感激しました」 

 Kさんの感想も同様で、早速、自分でも土づくりに挑戦してみようとおわれたそうでした。

 このOさんの感想は、幼いころのことであり、そこから70年以上も経過していますので、その間に相当な経験をされてきただけあって、本質を突いたものでした。

Q&A

 その後、私どもの研究所に来られてから、より突っ込んだ議論を行いました。

 その時の「やり取り」において基本的な問題を少し紹介しておきましょう。

 その第1は、ナノバブルに関することです。

 Q1:先生の考案された光マイクロバブルから発生する主体は光マイクロバブルでしょうが、その一部にナノバブルが存在しているのでしょうか。そうならば、その比率はどのくらいでしょうか?

 A1:たしかに、光マイクロバブルが収縮して、その一部がナノバブルになっているようですが、それは微々たるものではないかとおもいます。

 なぜなら、光マイクロバブルは、その発生直後から急激に収縮し始めてナノバブルへと移行していくからであり、この過程で重要な化学反応が生起しますので、その一部がナノバブルとして残存しているのではないかと推察しています。

 その残ったナノバブルが、再び化学反応を起こすような現象は指摘されていませんので、ナノバブルの存在よりも、光マイクロバブルによって生起される化学反応がはるかに重要だと考えています。

 Q2:完全なナノバブル水は殺菌効果が高いと聞いていますが、如何でしょうか。もし、そうならば培土にはたくさんの微生物が活動して、培土が良い状態になると想っておりますので、微生物を殺してしまわないかと不安に思っております。

 A2:「完全なナノバブル」とは何でしょうか?おそらく、それは「オゾンナノバブル」のことをいっているのではないかとおもいます。

 オゾンの酸化力による「殺菌力」を期待してのことだとおもいますが、そのことがきちんと証明されているのでしょうか?そのデータを見たことがありません。

 ある時、学会において、ナノバブルについて、「ナノバブルによって化学反応は起こるのか、どうか」を尋ねたことがありました。

 そしたら、かれは困ってしまって返答ができずに、「ナノバブルがあるだけではダメなのですか?」と居直りの質問で返してきました。

 ナノバブルがあるだけでは、その殺菌能力が証明されたことにはならないと考えての質問したのですが、その意味をもよく理解されていなかったようでした。

 ナノバブルが、ただあるだけでは何も起こらず、長期間存在していることで、殺菌力が作用することはないのではないでしょうか。

   また、量的には、ナノサイズの気泡の直径は、マイクロサイズの気泡のそれと10マイナス3乗の小ささですので、それらの容積を比較すると、さらに。その3乗分の小ささの違いになりますので、科学的には、その数や容積ではなく、その化学反応性が本質的に重要であると考えています。

  また、ナノバブルによってOHラジカルが発生することで植物活性が起こり、成長促進が
 なされるという、おかしな受け売りの見解もありますが、それも、自分では確かめられて
 いませんでした。天下のT大の教授が、このような特別講演をなさってはいけませんね。

  次回においては、このQ&Aの続きを示すことにしましょう(つづく)。

DSCN9004 (2)
Oさんからいただいた「お土産」(私の大好物)