Oさんからの電話連絡
昨日は、S県I市のOさんから、うれしい電話連絡がありました。
どうやら体調を崩されていたようで、しばらくの間、あの元気な声を聞くことができないでいました。
その連絡は、同じくI市において糖度13にまでなるミニトマトを栽培されているKさんのことでした。
すでに、光マイクロバブル装置設置後における栽培の発展の様子を、何度かに亘って報告してきました。
Oさんにょれば、その後も順調に発展を遂げているとのことでした。
この発展が評判を呼んだせいでしょうか、この度、国の関係省庁における相当に上級の方の目に留まり、支援してくださることになったようでした。
そして、かれを筆頭にして、関係の管区のトップや県の方々も含めての正規の視察が再度行われる予定であるとのことでした。
すでに、わが国においても食糧危機、エネルギー危機の兆候を見せ始めており、それに備えて、そしてより積極的に対応していくために、このようなKさんの先進事例に注目されたのではないでしょうか。
S東大教授は、国の食料自給率は、公式には37%といわれていますが、その実質は10%前後であると指摘されています。
また、沖縄では、かねてから6%といわれていますので、それがより低下してきているのではないでしょうか。
食料は、国民の生活を支える基本中の基本ですので、これを支える先進的事例をいくつも増やしていくことで、よりしっかりと国民生活を支え、豊かにしていく必要があります。
そのためには、小規模であっても豊かな生産性と確実な採算性を確保できる、より高度で独創的な栽培方法を新たに開発していくことが切に求められています。
その意味で、いくつもの困難に直面している農家の方々に、その新たな栽培技術を駆使していただき、それに誇りを持って推進していただくようにする必要があります。
今回のKさんの事例は、それの見本のようなものであり、それが光マイクロバブル技術の導入によって活かされ、ミニトマトの味の向上、かなりの量的増産が達成されたのでした。
Oさんは、たまたま、会社の前を通り過ぎていたKさんに出会い、世間話をするところから交流が始まり、光マイクロバブル(Oさんは「ナノ」といっていますが)のことを紹介され、それにKさんが耳を傾けるということで、この取り組みのきっかけとなりました。
先日は、お二人で国東まで来られ、私の話を聞いて得心となり、光マイクロバブル発生装置を二度に亘って導入されてきたのでした。
その結果は、Kさん自身が驚くほどで、その実績が評判を呼ぶようになり、それが関係省庁の相当に上級の役人にまで届いていったのです。
このようなクラスの方々は、わが国における農業の在り方、そして諸外国との関係、そして、その未来について常に検討をなされていますので、それらについてKさんのミニトマトの真価が問われ始めたのではないでしょうか。
2023年は幸先よく
さて、これから、どうしていくのがよいのか?
これを、より発展させていくには、新たな知恵を工夫が必要になるようにおもわれます。
その課題を示しておきましょう。
①より高品質のミニトマトを栽培する
この場合、「より高品質」とは、1)糖度の向上、2)うま味の向上、3)若くして熟させる、4)これまでのトマトの概念をブレイクスルーさせた「新ミニトマト」の開発などが想定されるでしょう。
これらを実現するために、光マイクロバブルの役割は、非常に重要になってくるでしょうから、その先を探究していく必要がありますね。
②栽培量を増やす
これが採算性により強く結びつきますので最近のトマト栽培法においては、そのトマトにストレスをかけて、いかに糖度を上げさせるかに重点が置かれています。
Kさんの栽培においても、ナノサイズの小さな孔から水分と養分を浸透させますが、その浸透量を少なくすることによってストレスをかけるという方式で糖度を上げさせるという方式です。
しかし、実際には、この孔を浸透していく養液分の浸透能が低下していく可能性があり、さらには、トマトの根が、反対に、この孔を破損させてストレス負荷が低下していく可能性もあります。
海トマトの事例研究
私たちが、地元(国東)で栽培されている「海トマト(塩トマト)」の栽培において学んだことは、塩分のストレスによって根の成長が低下することでトマトの葉や茎が弱り、その結果として結実もよくないということでした。
これを解決したのが光マイクロバブルであり、その導入によって、根の成長が促進され、以前よりも数倍長く、数倍多い根が形成されました。
そして、結実されたトマトは、より美味しくなり、リコピンとビタミンCが数十パーセントも増えたのでした。
このトマトを栽培されていたのは、農業が専門の先生でしたが、かれは非常に観察眼に優れていて、光マイクロバブル導入の翌日に、こういっていました。
「葉の様子が変わった。元気になった」
これですっかり気に入られ、この実験が継続していきました。
また、根については、今でも大きく伸びた、そのサンプルが農作業場に掲示されていると思います。
この海トマトは、東京の八重洲駅の近くにある「英国屋」において3個1000円で販売され、飛ぶように売れたそうで、この栽培に携われた高校生も大いに喜ばれていました。
結局、この栽培の結果は、塩分でストレスをかけながらも、それを浴びた根は、それに打ち勝って根の成長を促進させる、これによって糖度の低下はなく、より味と有益成分が増加するという非常に好ましいものだったのです。
このブレーキ(ストレス)を踏みながら、同時にアクセル(光マイクロバブル)を踏むという手法が斬新であり、先駆性があったのではないでしょうか。
トマト自身は、ストレス環境のなかで、必死に根を伸ばし、成長していこうとしていたなかで、光マイクロバブルという強き味方を得て、自活の道を得た、ということだったように推察されます。
今からおもえば、この探究には非常によいブレイクスルーと新たな概念の確立がなされたのではないかとおもわれます。
そして今、新たな地歩がKさんによって築かれようとしているのではないでしょうか。
モノリスの謎
先日も紹介したように、この地歩は、たしかに小さな一歩にすぎませんが、今から、55年前に封切された映画「2021年宇宙への旅」における冒頭のシーンがおもいだされます。
巨匠キュービック監督は、その冒頭において、類人猿が石板「モノリス」に触れたことで、道具を作り、使用することをひらめいたとして、その硬い骨を空に投げたシーンが象徴的に示されていました。
そして、その後進化を続けたヒトは、このモノリスの謎を解くために、その探索に宇宙に出かけていったのです。
それだけ、ヒトにとって労働手段を発明するということが重要であり、その「ひらめき」の謎を知りたかったのだとおもわれます。
この謎多き「モノリス」とは、何だったのでしょうか?
それを21世紀の今になって考えれば、「右脳」に関係していたのではないでしょうか?
当然のことながら、この類人猿は言葉を有していませんでした。
その言葉を司る左脳は発達しておらず、右脳が優位だったのです。
右脳の優位性は、なんでも実践して試すことにあり、その知能を刺激する「重要な何か」が、その石板にあったのではないでしょうか。
その石板に何か書いてあったとしても、当時の類人猿は読むことができませんので、それを触ることによって、何か電気的なもの、磁気的なものを感じ取り、その脳が刺激を受けた可能性がありますね。
あるいは、この石板に雷が落ちて、その周囲の空気と反応して一酸化窒素のようなホルモン物質を発生させていた可能性もありますね。
後に、この一酸化窒素が神経伝達物質であり、血管を拡張させることが見出され、イグナロさんたちがノーベール生理医学賞をいただいております。
何らかの知覚神経刺激作用によって、この類人猿の脳が刺激され、ますます右脳が優位になって、最初の道具が開発されたのではないかと推察されます。
私は、この硬い骨の道具に近いものが、現代の「光マイクロバブル」ではないかと想像しています。
その理由は、次の通りです。
⑴ 生物活性という、未知のすばらしい機能性が存在し、それが、すべてに生物に適用可能である。
⑵ しかも、それを水と空気という生物適応物質から生成可能であり、さらに、その空気と水は、この地球上に大量に存在していて、材料費は非常に格安かゼロである。
⑶ 最近の研究においては、第三の生物適応物質である土とも適応性が高い。
⑷ 富士山の裾野のように、技術的な適用分野が広大で、かつ有益と幸福をもたらすことができる。
こうして、天は光マイクロバブルという素敵な道具(手段)を与えてくださったのでしょうか?
モノリスの場合は、類人猿が触ってすぐに、骨の道具を得たのですが、光マイクロバブルの場合は、それが生まれるまでに約15年の歳月を要しました。
「そんなに素敵なものは、簡単に授かりませんよ!」
光マイクロバブルの女神が、微笑みながら、そういっているかのようでした。
さて、この女神が、Kさんのミニトマトにも微笑んでくれるとよいですね。
そのためには、もっと、もっと、このミニトマトの栽培方法を進化させていく必要があるようにおもわれます。
そのことに気付き、どうするかを考究し始めました。
よいアイデアが浮かんでくると幸いですね。
最後に有名なアメリカの心理学者である、ミハイ・チクセントミハイの言葉を添えておきましょう。
「これまで述べてきたように、独創的な人間を規定する特徴の中心には、いくらか相反する二つの性質がある。
一つは、旺盛な好奇心と心の広さ、もう一方は異常なほどの忍耐力である。
斬新なアイデアを持ち、しかも成功するには、この両方が備わっていなくてはならない」
(つづく)。
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