MOさん来訪

 昨日は、お馴染みのMOさんに、私の研究所まできていただきました。

 というのも、MOネギの栽培の要の一つである光マイクロバブル水について新たな知見が得られたので、その報告を行うためでした。

 すでに何度も述べてきたように、MOネギハウスにおいては、次々とふしぎで「重要な何か」が起きている現象がいくつも出現していたからでした。

 何よりも、そのことを体現していたのが、MOさんが、そのハウスで栽培されている野菜たちであり、それは快挙といってよい現象でした。

 光マイクロバブル技術を適用していると、時に、思いもよらない、まことに吃驚仰天するような現象に遭遇することがあります。

2021年宇宙の旅

 それは、かつての名画『2021年宇宙の旅』の冒頭において、類人猿らしきものが、骨で死体を砕いているシーンがあり、その骨を投げたのでしょうか、宙に舞った骨が大きくクローズアップされるというふしぎな光景が挿入されています。

 この映画は、1968年にスタンリー・キュービック監督によって製作されましたので。それから55年が経過しました。

 また、当時から数えて主題である2021年は、約53年後のことになります。

 この冒頭において、類人猿が、「モノリス」と呼ばれる石碑を触ったことで、かれは、骨で作った道具を発明することができました。

 この道具を発明できた動物はヒトのみであり、その類人猿からヒトへと進化していくことに多大な貢献をなしたのが、その道具を創り出したヒトの創造力だったのです。

 この類人猿の段階においては、言葉がなく、それを司る左能よりも、創造力の源である右脳ぼ方が旺盛なころでした。

 そこから、ヒトの進化が始まり、宇宙を旅するまでに発展し、その旅を司るのが、ヒトによって製作されたAIコンピュータの「ハル」でした。

 この旅行の途中で、ハルが造反し、ヒトのいうことを聞かなくなり、ここから、物語が急展開していきます。

 すでに、この舞台となった2021年から2年が過ぎた「未来」が現在であり、この映画が予測したことが、いくつも起こっています。

 たとえば、今では、AIを使った秒単位での株取引が常在化しています。

 瞬時にして、実態のないマネーが、ものすごい額で売買されていて、それを担っているのがAIです。

 もちろん、それをヒトが操作しているわけですが、その瞬時、瞬時においてはAI任せであり、そのヒトにとって都合のよい、すなわち金儲けができるプログラムが設けられているのです。

 金が金を産み、そして、その氾濫がヒトを亡ぼすことになるのですが、その強欲さが、そ破綻の前の自分自身さえの制御をできなくさせているのではないでしょうか。

 映画では、あのモノリスの石碑を類人猿が触ることによって、何らかの右脳への刺激が生まれ、そこから道具を作る、使うという、ヒトにしかできないという道が始まり、それがやがてAIの助けを借りて宇宙にまで旅に出かけるという壮大なテーマが描かれてたことが、人々の度肝を抜き、名画として評されたのでした。

 やや長い引用になりましたが、私は、類人猿が硬い骨を道具として使い、空に投げ上げたことを現代に当てはめてみると、その優れた有効な手段の一つとして、「光マイクロバブル」があるのではないかとおもい、あの空に投げ上げた骨のことを思い浮かべたのでした。

 その手段は、空(空気)に対してではなく、第三の生物適応物質である土に対して、同じく第二の生物適応物質である水とともに注がれたのでした。 

「光マイクロバブル水の噴霧」

 光マイクロバブルは気体(空気:第一の生物適応物質)、光マイクロバブル水は、光マイクロバブルを含む水のことです。

 10トンの大型タンクのなかに地下から汲み上げられた水のなかで、定期的に光マイクロバブルが発生させられています。

 その水が、配管によって17個のハウスに配水され、そこで一定時間噴霧されます。

 この時、ハウス内に太陽光が指しこんでいるとハウス内は、その水滴が反射して白く霧状になります。

 植物や野菜たちにとっては、生命維持のための水であり、その水滴のなかに光マイクロバブルや光マイクロバブルの溶解成分が含まれていて、ある意味での無機の養分が施されていることになります。

 ハウス内に充満していた、この水滴(「マイクロドロップ」と呼んでいます)は、ゆっくりと下の植物たちや土の上に落ちていきます。

 ①まず、葉っぱや茎の表面に落ちて、それらを潤わせます。小さな水滴の塊として、しばらくの間、その表面に留まるマイクロドロップも存在するでしょう。

 また、葉や茎を濡らしながら、下に落ちていくのもあるでしょう。

 この現象は、葉面散布の機能とよく似ていますので、そこから栄養を吸収することが可能であり、痩せた土壌においては、広く利用されてきた農法です。

 光マイクロバブル水には、無機の窒素成分が含まれていますので、化成肥料は使わずとも、その栄養化が可能なところに、この噴霧方法の利点と特徴があります。

 ここがおもしろいところであり、その豊かな未来性を有している注目点といってよいでしょう。

 ②次は、直接マイクロドロップが土の上に落ちた場合、そして葉や茎から下に落ちて土の上に達した場合です。

 この時、土の優劣状態が問題になります。

運動場の土

 まずは、運動場の土をおもい浮かべてください。

 雨が運動場に落ちてきたとに水たまりができますね。

 しかし、その水は、すぐに沁(し)み込んでいきます。

 水はけのよい土が敷かれているからであり、これが反対に水はけの悪い土ですと、いつまでも水たまりができたままです。

 それでも、その上を走ることもあるでしょう。

 そこに足を入れたときに、靴に粘々した土がへばりつくとどろんこ状態になってしまい、上手く走ることが難しくなります。

 靴も泥まみれになってしまい、すぐに汚れて傷んでしまうでしょう。

 それゆえ、運動場の表層には、水もちが悪い、すなわち水はけのよい土が用いられています。

 今度は雨が止んで太陽が出てきて、運動場が乾いた状態になると、その土は、どうなっていくでしょうか。

 その上を走る、運動する場合には、その土が硬くないと、足元が不安定になります。

 乾いたら硬くなって、素足でも走れるようになる、これが運動場に求められていることです。

 水はけがよくて、すぐに乾いて硬くなる、このような運動場に草や木は生えるでしょうか?

 ハウスのなかで野菜を栽培する土は、どのような土でしょうか?

 それは、運動場の土とは違って、光マイクロバブル水が噴霧され土の上に落ちてきても、すっと下に浸透していく土です。

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MOハウスの土(再録)

水はけがよくて、水もちがよい土

 すなわち、水はけのよい土であり、この限りでは運動場の土と同じ性質を有しています。

 しかし、ハウスの土は、植物を育てることを目的としていますので、水分が下に流れてしまってなくなってしまっては、その目的を達することができません。

 つまり、水もちがよい土でなければなりません。

 水はけがよくて、水もちもよい、そのような高機能の土でないと、農作物は育ってくれないのです。

 そのような土が、この世に存在するのでしょうか?

 じつは、その土こそが、森の土なのです。

 森のなかで、何百年という時間をかけて、その土が培養されて形成されているのです。

 それは、どんな土なのでしょうか?

 水はけがよくて、水もちがよい土といっても、よくわかりません、とおもわれることでしょう。

 その土が乾いた状態ですと、さらさら、ふわふわであり、その土を踏むと、10~20㎝も足が入っていって埋もれてしまう土です。

 雨が降ると、それが下にすっと浸透していきますが、そこに水たまりができることはありません。

 それは、水はけがよい土だからです。

 同時に、水もちがよいと、その土は、どうなるのでしょうか?

 水分を吸収できる土とは、粘土のことであり、この小さな土の粒子のなかに水分が浸透し、それを保持するのです。

 これが水もちののよい土の実体です。

 それでは、水はけがよくて、水もちがよい土の構造はどうなっているのでしょうか?

  「団粒構造」

 その土の構造は、「団粒構造」と呼ばれています。

 これは、粘土の微粒子が、互いにくっ付き合って、いわば鎖状に連なっている構造を想像したらよいでしょう。

 それが幾重にも存在していますので、その鎖と鎖の間には十分な隙間がありますので、ここを余分な水が通過していくことから、水はけがよくなります。

 一方で、鎖の輪は粘土同士が吸着し合って連なっていますので、その粘土粒子に沁み込んだ水が保持されますので、水もちのよい土になることができます。

 同時に、隙間は在っても粘土粒子が連なっているために弾力が出てきて、その土を足で踏むとわずか(2~3㎝程度)しか、その足は土に埋まりません。

 ここで、粘土のことを少しよく知っている方であれば、どうして粘土粒子同士が吸着し合うのですか?

という疑問が湧いてくるはずです。

 最も代表的な粘土は「カオリン」と呼ばれる小さな粒子です。

 乾いている状態では、サラサラしていて、互いに吸着し合うことはありません。

 電気的には互いに反発し合いますので、くっつこうとしても自然に離れてしまうのです。

   「なぜ、吸着し合うのか?」
 
 河に行くと岸辺に砂があります。

 そこをよく眺めるときれいに粒が揃った砂床があります。

 砂の場合、水のなかでも、互いに吸着し合うことはありません。

 ところが、粘土の場合は、水を含ませると互いにくっついて塊状になります。

 なぜでしょうか?

 そこには、粘土粒子同士を吸着させるもう一つの物質が介在しているのです。

 じつは、その介在物が、上述の「団粒構造」を形成させるのに重要な役割を果たしているのです。

 次回は、この構造についてより深く解説していきながら、上述のMOさん来訪の件にも分け入っていくことにしましょう(つづく)。

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光マイクロバブル水噴霧後の団粒構造の土を踏んだ場合(再録)