老いの壁(2)

 ようやく、深く積っていた雪が溶けてなくなり始めています。

 今朝の気温は零度、依然として寒さが居座っています。

 昨日は、久しぶりに緑砦館を視察、野菜たちを観て、心が和みました。

 また、緑砦館2では、ミニトマトのアイコが、ほとんど実って赤くなってきましたので、家族分だけの実の収穫を行いました。

 真に美味しく、宝石のような貴重果物のように感じています。

 さて、前記事の続きを認めておきましょう。

 「後編における五カ条」(2)

 ⑴ 健康であること

 ⑵ 多少の経済力は持っておく

 以上は、前記事。

 ⑶ 生きがいを持つ、生産性のあることをする

 時々、新聞記事における死亡記事を目にすることがありますが、そこでの死亡年齢のほとんどが80歳、90歳です。

 60歳で定年退職してから、20年、30年と、立派に生き抜いて来られた方々なのではないかと思われます。

 こうして寿命が考えられないほどに延びてきますと、定年後に、決してぼんやりして過ごすのではなく、自由に、しかも生きがいを持って生きていくことが大切になってきているのではないでしょうか。

 会社や上司に縛られることなく自由に生きる、このことを私は、「自由の王国」に入ることではないかと表現しています。

 この王国で好きなことを自由に行う、これが何らかの「生きがい」になっていくのではないかとおもわれます。

 そして、そこに「重要な何か」が新たに生まれてきたのであれば、それを生産性があることとして認知してもよいのではないでしょうか。

 最初は、それを「重要だ」と、然程(さほど)感じないのかもしれませんが、その何かが本物であるかどうかは、時間の経過とともにわかってくるものです。

 私の場合、マイクロバブルや光マイクロバブルのことを最初から素晴らしいものだとはおもっていませんでした。

 たかが泡かとおもいながら、しかし「されど泡だ!」と想い返すなかで、その本物性に気づくことになったのです。

 この事例にしたがえば、重要なものほど、最初は解りにくく、そして、その理解においては長い年月を要するものだと、つくづくおもいます。

 マイクロバブルを大量に発生させたいとおもって日夜その開発に挑んでは失敗した15年、1995年に初めて光マイクロバブル発生装置を完成させて世に示してから、今年で28年になりますが、未だに、その一部しか究明できておらず、私の目の前には、多くの究明課題が並んでいます。

 この究明課題を引っ提(さ)げて、自由の王国入りを果たしたのが2年前から、私は、その必然の入国を心からうれしくおもっています。

 ことしは、この道をより遠くまで歩んでいき、「一隅の灯」を灯していきたいとおもいます。

 それが私の生きがいであり、その成果は、決して小さくない、素敵な生産性を発揮してくれるでしょう。

友人M
 
 ⑷ 仲間がいること

 私の親友にM君がいます。

 かれは、土木系のコンサルタントに就職し、取締役の幹部にまで昇進した兵(つわもの)でした。

 そのかれとは、どういうわけか、話がよく合って、約50年間も親交を温め続けることができています。

 今は、系列会社の顧問として勤務されているようですが、そのかれとメイル上で、よく人生を語り合っています。

 かれの得意は、米や野菜作りで、母親から譲られた土地で立派に農作物を育てておられます。

 私の方は、かれほどの規模はないにしても、ハウスで野菜を自家栽培しており、これが、かれとの共通の話題のひとつにもなっています。

 そのことに興味を抱かれたのでしょうか、大学時代の高配と一緒に、この国東の我が家を訪問したいという希望が2年前から伝えられていますが、新型コロナウイルスのせいで、それが延期を繰り返し、未だに実現されていません。

 コロナが去っていった折には、心置きなく3人でゆかいな酒を酌み交わすことにしましょう。

 そして、映画『素晴らしき哉、人生』のラストシーンにあったように、「蛍の光」を口ずさむことにしましょう。

 ⑸ 身だしなみを忘れない

 この指摘は、私にとって非常に重要なことでした。

 それまでは、時々、ものぐさの私は、パジャマを着たままで朝のお茶を飲むことがありました。

 しかし、そんな姿でお茶を飲んでも美味しくなく、惰性がそのまま延長されただけのことでした。

 そうおもいながらも、なかなか、この習慣が直せなかったのですが、この指摘によって、それを改めることができました。

 きちんと着替えて、身だしなみを整え、寝癖が付いた髪の毛もきちんと直して朝の仕事を開始する、そうするとけじめがついてよい、こう森村さんがいわれていたことの重要さを改めて知ることになりました。

 以来、これを励行していて、決して乱れることはなくなりました。

 乱れが、秩序に変容していったのでした(つづく)。

mimoza20230125-1
雪の前庭(ミモザ)