今年初の視察(5)

 MOネギをふんだんに入れた、久しぶりの自家製「ネギ焼き」は、やはり、抜群の味でした。

 地元産の小麦粉「地粉(じごな)」に包まれてじわっと蒸し焼きにされたMOネギから、何ともいえない香りとほのかな甘さが引き出されていて、「これは旨い!」とおもわず、口から言葉が出そうになるほどでした。

 何度か、日本一といわれている広島風お好み焼きをいただいたことがありますが、それと比較しても引けを取らない上質の味でした。

 さて、MOさんのハウスの視察の報告を続けましょう。

    まずは、出荷がなされているMOネギの様子を示しましょう。

 濃い緑色のネギの茎がすっと上に勢い良く伸びています。

 その先端では、よくある先枯れ状態が少しもなく、みごとな生育ぶりです。

 このネギの束をMOさんの勧めもあって、私の相棒が、その7~8本が束になったものを抜こうとしました。

 「土が柔らかいのですっと抜けますよ!」

 こうMOさんにいわれた通りのことが起きました。

 「本当にそうですね。力も入れずにすっと抜けました」

 
MOnegi
出荷サイズになったMOネギ

 ここで、おもしろい現象に出会いました。

 その時の根の様子を再録しておきましょう。
 
MONEGI20230117-1
NOネギの根(再録)

 この様子を詳しく観察してみましょう。

 前記事においては、この根の様子を詳しく考察していませんでしたので、その結果を、下記に示します。

 ①白くて太い

 ②数が多い

 ③かなり長い(以前に観察した水耕栽培ネギの3倍はある)

 フワフワさくさくの土で育ったネギの根だけはあるなとおもいました。

 今後より詳しく究明していく必要がありますね。

巨大な白菜

 より東の方角へ、MOさんのハウスを見学し続けていきましたが、それぞれが、吃驚仰天することばかりでした。

 ここでは、それらを詳しく解説できませんが、なかでも、強く、今も尚、印象深く残っている事例を少し紹介しておきましょう。

 その最初はパクチーの花です。

 私にとっては、初めて目にしたものでしたので、珍しくおもいました。

 断っておきますが、これは、その吃驚物ではありません。
 
paku
パクチーの花

 しかし、このパクチーの葉を試食した時に、

ーーー おやっ! 先ほど試食したパクチーの味と違うなぁー?

と感じました。

ーーー 何が違うのか?

 こうおもいながら、その味の奥底を辿っていくと、最初のパクチーは、雑草の中で、それこそ生存競争激しく育っていました。

 しかし、ここは、見渡す限りのパクチーだけ、土も水やりも同じだったそうですので、その違いだけのことだったようです。

 「先ほどのパクチーの味と違いますね。

 私には、先ほどの雑草の中で育ったパクチーの味には、何ともいえない上品な香りと味がありました。

 しかし、このパクチーには、その上品さがやや欠けているようにおもいます」

 これを聞いて、MOさんは首を傾げられていました。

 最後のハウスで、その驚愕の野菜たちに出会いました。

 その第一は、巨大な白菜であり、その写真を示しましょう。 

haku
巨大な白菜
 
 これを持っている相棒の姿がすっぽり隠れるほどの巨大さであり、このようなジャンボ白菜を見たことがありません。

 この場合は、中央で巻いておらず、外に向かって自由に葉を伸ばしていました。

 多少の虫食いはありましたが、その茎と葉はみずみずしくて柔らかく、すべて美味しいものでした。

 おそらく、市販の白菜の3個分はあったでしょう。

 これが、無農薬、無肥料で育ったのですから、木村さんのリンゴ流にいえば、「奇跡のリンゴ」ならぬ、「奇跡の白菜」ともいってよいでしょう。

 ほかにも、すごいものがありましたが、それについては、また、どこかで紹介することにしましょう。

 こうして、すべてのハウスの視察を終えましたが、それは、私の脳裏に強烈な印象を刻み込ませました。

 「そこには、途方もないことが起きている。もしかすると、この先に、私たちが希求する農業の未来があるのではないか!」

 このことを確信いたしました。

 「ますます、この未来のなかに分け入っていかねばならない!」

 こうおもいました。

 帰り際に、その研究のために、MOさんが使用している光マイクロバブル水とMO土を少しいただきました。

 2023年正月における最初の視察は、非常にラジカル(根本的で過激)でした(つづく)。