今年初の視察(4)
MOネギの収穫を終えた後の、整地がなされたハウス内の土を観察しました。
ここで、おもしろい現象に出会いました。
先日、相棒が視察した際には、この土を踏むと足首までずぼっと埋まっていたと聞いていました。
それを自分の目で確かめようとおもっていました。
しかし、その再現はできませんでした。
深く沈み込まなかった土
実際に、MOさんにハウスのなかに入って土を踏んでいただきましたが、わずかに3㎝前後しか、かれの足は沈み込みませんでした。
なぜか?
それは、光マイクロバブル水を噴射してから、あまり時間が経過していなかったからでした。
その様子を示しておきましょう。
数㎝の沈下しかなかった土
健康で肥えた土とは、水はけがよくて、水もちもよい、団粒構造を呈している土です。
水分が多すぎると、それを、その隙間のなかを容易に通過させ、それが少ないと水分を土のなかに吸収させて保持する、そして、それによって土のなかの微生物にも水分を供給できるようにすることが重要です。
粘土やシルトの電位はマイナスなので、それらを繋ぎ留めて団粒化する役目を担っているのが腐植、すなわちプラスの電位を有した分解過程の有機物なのです。
この有機物と粘土のなかに水分が吸収されて、踏んでもなかなか押しつぶすことができない土が形成されていたのです。
このやや硬い団粒構造の土は、野菜の根を鍛えます。
それは、なぜか?
この団粒構造の土のなかを根が根が伸びていくときにややストレスを与えるからです。
根を伸ばそうとしても、その土がある程度邪魔をして、根の伸長を押し留めようとするからです。
この伸びる、押し留めるの作用反作用が、根を強くし、より一層を根を伸ばしていくことに寄与しているようにおもわれます。
しかし、このいわば土の抵抗は、その乾燥が進むにつれて弱くなっていきます。
これによって粘土粒子の粘着力は徐々に低下し、最後にはサラサラ、ふわふわした土に変化していきます。
ここで、ストレスを覚えていた根が一挙に伸長して水と栄養を求める度に出かけるのです。
これは、相棒がズバッと引き抜いたネギであり、硬い土だと、このように抜き出すことができないそうです。
このサラサラ、ふわふわの状態になった土を踏むと、足が10~15㎝も沈み込むようになりました。
ここで思い出すのは、MOさんの自然農法の師匠であったMUさんのことです。
私は、かれに、こう尋ねたことがありました。
「あなたにとって、理想的な土とは、どんなものですか?あなたは、その土に出会ったことがありましたか?」
「ありますよ!それは、ある稲の田圃の中央辺りにできていました。
本当にふわふわサラサラの土でした。
そこに立っていると、非常に気持ちがよかったことを覚えています」
MOさんの土を観て、このMUさんの体験を思い出しました。
また、リンゴの木村さんが森の中で見つけた同じような土の体験にもよく似た、ふわふわサラサラの土の話がありました。
さらに、土の研究者の岩田進午さんの著作のなかにも、森で何百年とかかって形成された土が、ふわふわサラサラであったという記述がありました。
ということは、
「ひょっとしたら、これらと同水準の土を、MOさんが、光マイクロバブル水と自然農法の融合において創り上げた可能性があるのではないか?」
この推察が本当であるならば、MOさんは、誰もなしえなかったことを「成した」のではなないか、この仮説が成り立つはずです。
これは、新年早々、おもしろい仮説に出会えたことになりました。
幸先良いですね。
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