先日、第45回の「ナノプラネットゼミ」が開催されましたので、下記のように報告いたします。

 日時:2022年12月7日(水)10:00~12:30 
 場所:大成研究所セミナー室(〒873-0432 大分県国東市武蔵町向陽台12-2)
 主催:(株)ナノプラネット研究所、(株)ナノプラネット・大成研究所
 
 <プログラム>

   
10:00~10:40 話題提供① 大成京子 「エリカ・アンギャルの免疫力アップ方法について」
 
  オーストラリアのエリカ・アンギャルさんによる「エレガントな免疫システム」が人気を集めていることから、その紹介がありました。

 彼女によれば、人の身体は「自分の薬局」であり、何を食べるかは自分で決めることができることであり、その薬を自分で選んで健康にしていく食事の大切さを指摘しています。

 エレガントな免疫システムを普段から確立していくために腸内細菌を育てていくことが重要であり、それには栄養のある新鮮な植物を摂取していくことが重要です。

 そして、身体を弱アルカリ性にしていくと、最も病気にならない身体になることも強調されています(後述の小峰理論参照)。

 そのために、ケール、ホウレンソウ、大麦若葉、レモン、海藻、アボガド、シイタケ、マイタケなどの摂取が推奨されています。

 なかでも、シイタケは、外国から観ると羨ましい限りのスーパーフードであり、マクロファージを活発化していく抗癌作用もあるようです。

 また、口の中のケアについても指摘がなされています。

 ここには700種類もの細菌がいて、それらが身体全体の疾患にも関係しています。

 そのために唾液の制御と口腔洗浄が重要です(後述の小峰理論参照)。

 また、短い断食も推奨され、夜の8時から翌朝の8時までは物を一切食べないことが重要です。

 夜10時を過ぎても、甘いものを食べる、ビールを飲む、このようなことが行われているところもあるようですが、これが肥満や生活習慣病の引き金になっており、要注意といえるでしょう。

 この7、8年、私は、夜の8時以降は、ヨーグルトを少々いただくのみで、この短断食を励行していますが、おかげで胃腸の調子がよいようです。

 じつは、先日の日本・スペイン戦のサッカーを深夜に拝聴し、その際にわずかでしたがウイスキーを飲んだことから、翌朝から少々胃がもたれるようになりました。

 やはり、夜の8時以降は、短断食が大切であることを改めて認識させられました。

 また、彼女によってSNS中毒に多くの人がなっているという問題も指摘されていました。

 以上を基にして、どう生活改善をしていくかについて有意義な議論がなされました。

 10:40~11:30 報告Ⅰ 大成由音 「㈱ナノプラネット研究所の新事業の「取り組みについて」

 今年度、㈱ナノプラネット研究所は、福岡県におけるアクセラレーションプログラムに採択されていますので、そこにおいて新商品開発がなされようとしています。

 本報告では、そのプランが紹介され、検討がなされました。

 本研究所では、この度、新型の光マイクロバブル発生装置が開発され(特許申請済み)、それを用いた新商品がペット分野において販売されています。

 それに加えて、本プログラムにおいては、その関連の商品の分野を広げた開発を行おうというものですが、その詳しい内容については、このプログラムの終了後に明らかにしていくのがよいとおもわれますので、ここでの開示は控えておきましょう。

 11:30~12:30 講演  大成博文 「酸性体質からアルカリ化体質への転換問題」
 
 先日の話題提供において紹介された小峰一雄(著)『免疫力が上がるアルカリ性体質になる食べ方』(アマゾンでベストセラー)における残りの部分の紹介がなされ、その討議がなされました。

 そのスライドの一部を示しておきましょう。

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酸性体質問題(小峰一雄)

 小峰先生は、歯科治療に来られた患者さんの唾液のpH(水素イオン濃度)を、最初に計測して、その方が酸性体質か、あるいはアルカリ性体質かを調べます。

 これによって、歯科治療方法が異なるからであり、なぜ、そのような調査をなされるのか、についても、その理由が詳しく解説されています。

 その多数の患者さんにおけるpH計測の結果から、次の重要な特徴が明らかになりました。

 ①pH7.4以下の酸性体質の患者が多数であり、その逆のアルカリ性体質の患者は少数であった。

 ②酸性体質の方々には、慢性的な疲労感を覚えている人が多く、眠気、気だるさ、便秘、下痢、頭痛、低血圧などが起こりやすい。

 ③さらに、酸性体質の方は、生活習慣病にかかりやすく、2型糖尿病、痛風、腎臓結石、脳卒中、動脈硬化、癌になりやすい。

 ④pH6.2以下で癌患者の数が増え、さらにpH5以下ではほとんどの人が癌患者であった。
 
 とくに、この④の特徴は、非常に本質的な現象を垣間見せているのではないでしょうか。

 これらは、日常の身体機能の低下、すなわち免疫力の衰退が、慢性的な生活習慣病に結びついていることを示唆していることから、そのことが唾液のpH変化で区別できたことには重要な意味がありました。

 その唾液検査とともに、患者さんたちの病状についてもより詳しい調査をすることによって、それらの因果関係が明らかになっていきました。

 そして、歯の治療は、単に虫歯や歯周病を改善するという問題に留まらず、その患者さんのさまざまな病気を改善していくという必要があるという問題に到達していったのです。

 すなわち、生活習慣病を始めとする各種の病気を改善していくという視点からも虫歯や歯周病を治療していくという、小峰先生独特の治療方法が確立されるようになりました。

 次に、唾液のpHをアルカリ性に変えていくには、どうすればよいのかが問題になり、この問題解決の基礎データを得るために、患者さんの食事アンケートを実施しました。

 今度は、この結果から、次のことが明らかになりました。

 ①肉や脂などの酸性物質をよく摂取している人は、酸性体質になりやすい。

 ②逆に、アルカリ化物質を食べている人の唾液は、アルカリ性を示し、アルカリ化体質であった。

 ③酸性体質の患者には、虫歯や歯周病が多く、唾液がアルカリ性を示した患者には、それらがほとんど発生していなかった。

 ④アルカリ化体質の患者には、生活習慣病の患者が少なかった。

 以上のことから、歯の治療と改善を行うには、食事療法と共に行うことが不可欠であるという結論に達し、それらによってみごとに患者のみなさんが歯と身体の健康を取り戻したという具体的な報告が示されていました。

 しかも、これらの小峰先生の試みは、最近の欧米における進んだ歯科治療の動向とよく一致しており、それが世界的な先進事例として評価されていることも注目に値することだとおもわれます。

 そこでアルカリ性を示す食事療法の話に移っていきましたが、ここでおもしろい解明がありました。

 それは、梅干しは、酸性食品か、アルカリ食品かという問題でした。

 梅干しをそのまま直接計測すると、そのpHは4程度を示します。

 この限りでは、梅干しは酸性食品となります。

 しかし、その梅干しは、体内で消化される際には、なんとそのpHが10にまで変わるそうで、体内ではアルカリ性食品になります。

 それゆえ体内の酸性物質を中和して酸過多を改善してくれるのです。

 最近は、よく梅干を食べるようになっていますが、それをいただくと胃がすっきりしてきますので、どうしてだろうとふしぎにおもっていました。

 そしたら、この指摘で納得、よいことを教えていただいたとおもって、ますます梅干しを食べようとおもいました。

 それから、もう一つの重要なアルカリ性食品がコンニャクです。

 このpHは11もあります。

 おまけに、これをたくさん食べても血糖値は少しも上がりません。

 安くておいしい、さらに強力なアルカリ性食品であることから、私が普段からよく食卓に上らせて賞味していることも報告しておきました。

 これらを題材にして、かなり積極的な議論がなされました。

 そこで小峰先生の食事モデルを参考にしながら、光マイクロバブル水を高度に利用した食時モデルを探究していくことが決まりました。

 これはおもしろくなりましたね。

 地元の割烹川口屋の1000円弁当をいただきながら、和やかな議論がより進みました。

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アイコ(緑砦館2‐C)

 次回は、次の日程で開催する予定です。
 
 2023年1月19日(木)10:00~12:30