先日の報告の続きです。
11:10~11:40 講演② 大成博文 「土づくりと光マイクロバブル水(2)」
前述の内容を、少しおさらいをしておきましょう。
土と有機物
植物の根は、アンモニウムと硝酸の形で窒素成分を吸収すると記述していますが、前者の場合は、無機態のアンモニア性窒素のことです。
これは、化成肥料に含まれている成分であり、これだと、植物は即座に吸収可能です。
また、有機物が分解されて、アンモニア性窒素から亜硝酸窒素に変換され、さらに亜硝酸性窒素が硝酸性窒素に変わっていくことで、植物は、初めて、その吸収が可能になります。
前者は、短時間において吸収できますが、周知のように、それを肥料として購入する必要があります。
一方後者においては、基本的には植物や動物の遺体によって施されますので、ほとんど経費を要しないのですが、その代り、その分解過程において長時間を要することになります。
また、その分解過程において活躍するのが、亜硝酸菌や硝酸菌と呼ばれる細菌類です。
この細菌類は、有機物の分解という非常に重要な役割を担っています。
しかし、次のような問題点を有しています。
①土中においては、そんなに数多く存在していない。
②しかも、増殖度が遅く、長時間を要して増えていく。
③菌としてはあまり強くなく、土壌消毒を行うとほとんどが死んでしまうことから、有機物の分解ができなくなってしまう。
そのために、窒素成分を補給するには、化成肥料を施すしかない。
先日、この問題に関係する事例について相談を受けたことがありました。
ある農作物を栽培する補助事業のなかで、その土壌消毒が義務付けられていて、それに従わないと、その補助事業を受ける資格が無くなり、補助金の貸与がなくなる恐れがあるといわれ、その方々が相当に困っておられました。
「この補助事業は、予め定められた栽培法によって行われることを前提としており、それに従っていただかないと、その資格を失う」
という、ある意味で強硬な指示がなされ、それに従わないと、査問に呼び出され、そこで何らかの異なる意見をいおうとすると、「補助金を打ち切る」と何度も示唆されたそうです。
さらに、本人が、その指示において、なかなか納得できないというと、親や親戚にまで、それに従うように意見をいうという、お粗末な出来事まであったようでした。
おそらく、このような上から目線の関係者の方々は、その土壌消毒によって、亜硝酸菌や硝酸菌が死んでしまうという不幸な現象のことを理解していなかったのではないでしょうか。
その土壌消毒を行えば、どうしても化成肥料を使わなくてはいけなくなり、それによって、硝酸菌や亜硝酸菌を始めとする細菌(バクテリア)や菌類(カビ)の生息が難しくなってしまい、最後には痩せた土地での栽培を余儀なくされてしまうのです。
そんな土壌で育った農作物が、美味しいはずもなく、そして農薬による安全性も脅かされてしまうのです。
しかし、その農作物を引き受けて販売する、ある組織においては、その不味さや弱さがほとんど問題になることはありません。
なぜでしょうか?
それは、それを受け取る際に、見てくれの良いところだけを取って、それ以外のものは捨ててしまうのです。
結果的に、収めた量の約半分しか納入されないことになって、残りはゴミの山と化してしまうのです。
あるとき、その山を見て、「なんともったいないことをしている」と驚いたことがありましたが、その残りかすが、小型トラックに山と積まれていたのでした。
「なんと、もったいないことですね」
「そうですよ、これらは立派なに食べることができますが、これらが入り込んでいると跳ねられてしまうのです」
そこでは、買い手側の言い分がまかり通っていたのでした。
さらに、おかしなことが・・・
もうひとつおかしなことは、その農作物の際に点検されるのは、色と目方のみで、安全性や味の方は、まったく問題にならないのだそうです。
妊婦や子供を抱えている若い奥さんたちが、そしてそれを含めて多くのみなさんが、安全でおいしい野菜を食べることを希望しているにもかかわらず、それらが検討されていないのですから、真に時代錯誤の対応しかできていないといわざるをえません。
それゆえでしょうか、なかには基準の数倍以上に農薬を使用していたことが判明して処分を受けたという事例も生まれています。
「美味しくて安全なものをいただきたい」
この昨今のトレンドをしっかり認識して消費者の信頼を得る、これこそが、これからの農業の基本といえるのではないでしょうか。
次は、上記のスライドに記された3番目の問題ですが、これについては、かなりの紙数が必要ですので、光マイクロバブル水の作用効果も含めて、次回に解説することにしましょう(つづく)。
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