水の音とは

 水が流れる際に音が発生するのは、なぜでしょうか?

 水の流れは、それが乱れた状態であるか、それとも、乱れない(上下左右の運動がない)層状の流れの2つに分類されます。

 前者における構造的な特徴は、流れのなかに渦が形成されることにあります。

 水のなかに大きな速度差が生まれると、そこに渦が形成されます。

 あるいは水が段差によって落下する場合、その典型は滝の水が滝ツボに落ちる場合に、そこに強烈な渦が形成されます。

 その渦のなかに空気が混入することで音が発生します。

 松尾芭蕉の有名な「古池や かわず飛び込む 水の音」も、蛙が水面に飛び込む際に局所的な渦巻きが体表面付近に形成され、そこに空気を巻き込むことから、水の音が聞こえてきたのだとおもいます。

 芭蕉といえば旅好きですが、旅のなかで人生を全うしたいとおもって、奥の細道に出かけていったのではないでしょうか。

 その旅のなかで出会うさまざまな体験、実感のなかから生きた本物の俳句を作ることができると考えたそうで、生来の旅人としてのDNAを保持していたようにおもわれます。

 人類は、アフリカの北西部に誕生し、そこから、東西、南北へと旅に出かけ、延々とそれを続けてきた歴史を有しています。

 その旅好きで冒険心に満ちた、少し前の用語で表せば「青年は荒野をめざす」優れた人々がいたのでした。

 この渦のなかに、気体としての空気が吸い込まれることによって、その空気の塊が引きちぎられ、粉砕されることによって、より小さな気泡が形成され、さらに小さいマイクロバブルが発生します。

 このマイクロバブルが、水の浄化や生命体の維持、成長に寄与しているのではないか、そのことをさまざまな角度から検証していくことが重要であるとおもってきました。

 前記事においては、次の3者の音の周波数としての一致を指摘しました。

 ①シューマン共鳴波の音

 ②水の流れの落下水が渦巻く音

 ③光マイクロバブルの自己収縮する際の振動の音

 ①は、地球上のすべての生物が聞き、親しんできた音です。

 ②は、その水のなかに酸素や窒素を取り込み、水質の浄化を可能にし、それによって水生生物や農作物、そして森や都市を成り立たせてきました。

 ③は、動物植物、そして微生物の生物活性と成長、増殖を手助けすることを可能にしました。

2つ目の一致

 これらのことを踏まえると、その第二の共通項は、生命の営みを維持し、成長発展させることであったとおもわれます。

 すなわち、その音の一致は、生命を育み、成長発展させることにおける一致を示唆していたのです。

 周知のように、この地球上、そしてみなさんの生活のなかで、空気と水は不可欠の物質であり、これ無しには、ヒトはおろか、植物や他の動物も、さらには微生物も生きていくとができません。

 その長い歴史の営みのなかで、水の中に極々小さなマイクロバブルという気泡を発生させることを世界で初めて可能にしました(1995年)。

 このマイクロバブルはのことを調べていくうちに、

 「これは、なんとふしぎな気泡なのか!」

とおもうようになりました。

 これは、これまでいわれてきた「気泡が小さい」だけではなく、ふしぎな性質を有していることに気づき、他の小さいだけの気泡と区別するために、それを「光マイクロバブル」と呼ぶようにしました。

 なぜ、その冠に「光」を添えたかというと、非常に短いサイクルで光を放っている現象を見出したからでした。

 このふしぎな、そして有益な機能を有していた光マイクロバブルの研究を1995年以来(光マイクロバブルを大量発生させる技術に到達するまでの期間を入れると、それは1980年以来になる)行ってきたのですが、それを今振り返ると、

 それは、

 「須らく雫の石を穿つ如く」

の道に、徐々に接近していたのではないか、とおもわれます。

 私の専門は、流体力学、あるいは流体工学、水理学といわれる分野のものでしたが、その物理系の学問分野に留まらず、化学、生物、農学そして技術開発という、真に幅広い学問の研鑽なしに、それをきちんと理解することができないものでした。

 蛸壺のように、狭い範囲の学問の分野に生きて、論文をせっせと書いて、学者としての成功を夢見る博識のみなさんから眺めると、この幅広い学問と技術を身につけていくことは、途方もないことであり、それこそ、「雫が石を穿つ如く」という強い信念と勇気、そして粘りと忍耐力なしには、到底、足を踏み出し、歩を進め、分け入ることができない世界なのです。

 この光マイクロバブルという雫は、どのように、石(何を指すのか?)を穿ったのでしょうか?

 次回は、そこに分け入ることにしましょう(つづく)。

 
kaane20221111-1
カーネーション