植物活性とは何か?(5)
5)栄養付加効果(2)
前回の記事に続いて、「農未来」、あるいは「農業の未来」について、より考察を深めることにしましょう。
何が、「農の未来」に結びつくのでしょうか?
換言すれば、何が、「未来型農業」の在り方に関係しているのでしょうか?
ひとまず、それらの疑問に答えることから、その検討を開始することにしましょう。
それは、「光マイクロバブルの植物活性が、栄養付加効果をもたらす」からであり、その解説を加えながら、本命題を深く究明していくことにしましょう。
光マイクロバブルの植物活性とは、根の成長とともに活発な光合成を誘起させることで、歯と茎の成長促進を遂げさせる作用のことです。
一方、「栄養付加効果」とは、光マイクロバブルが産み出す「栄養成分」の作用による効果のことです。
この植物活性作用、栄養付加による成長促進作用が、光マイクロバブルによって為し遂げられることが重要な注目点です。
それらについては、何度か、そのメカニズムについての究明を明らかにしていますので、ここでは、その後者に関するおもしろいトピックスを紹介しておきましょう。
それは、光マイクロバブル技術を農作物の土耕栽培に適用した事例です。
土耕といえば、その肥沃な土づくりが重要です。
まず、水分に関しては、水もちがよくて水はけもよい土、すなわち団粒構造を有する土づくりが重要になります。
また、この団粒構造化には、腐植が重要な役割を果たしますので、そのなかに棲息する微生物の繁殖が注目されます。
すなわち、①光マイクロバブル水、②団粒構造の土、③微生物の繁殖という3者における好要素を核とする関係が重要になります。
これまでは、②と③のみで農業が実施されてきましたので、当然のことながら①の作用効果は不明のままでした。
約6年ぐらい前から、光マイクロバブル水の土耕への適用が本格的に行われるようになりました。
葉面散布の問題
それは、ハウス内において、光マイクロバブル水を定時に霧状に噴射するという方式でした。
そして、この場合の光マイクロバブル水の製造は、10トンタンクにおいて常時(最近は一定の時間間隔で光マイクロバブルを発生させて)製造し、その水を噴霧していました。
ここでは、次の2つの課題がありました。
1)光マイクロバブル水を直接、その栽培農作物に噴霧すると、どうなるのか?
2)噴霧された光マイクロバブル水が土壌に浸透して、どのような土の変化が起こるのか?
いずれも、新たな探究課題でしたので、その予測さえも困難なものでした。
しかし、すでに光マイクロバブル水耕栽培の探究は先行して為されてきていましたので、それを頼りにして、この課題解明に挑むことにしました。
1)については、葉面や茎の表面から、光マイクロバブル水を有効に吸収できるのかどうか、そして、その吸収が、どのようなよい作用効果をもたらすのかどうか、という問題でした。
この作用効果については、すでに、非常におもしろい参考事例がありました。
その第1は、万田酵素液の表面散布によって、巨大な大根ができたという事例が報じられていました。
この詳しいメカニズムについては不明ですが、その大根の大きさには驚かされました。
第2は、地元の本多光太郎さんが栽培して評判になっている「結トマト(高糖度)」にも、有効微生物群を入れた液体肥料の散布がなされています。
このような事例を踏まえると、葉や茎における光合成による成長促進に、この散布が何らかの有効な役割を果たしている可能性があることから、その噴霧に関する関心を有していました。
おそらく、何らかの栄養補給、表面における好気性微生物の増殖、洗浄などが効果的に働き、光合成による代謝促進を可能にしたのではないでしょうか。
とくに、「結トマト」の場合は、溶液中に塩分を入れてストレスをかけながら糖度をあげるという方式なので、これによって葉や茎の成長が弱まる可能性があります。
その弱まる分を、その葉面散布によって補い、さらに光合成を活発化することによって成長を促進させているのではないかとおもわれます。
それでは、光マイクロバブル水による葉面散布は、どのような作用効果を発揮させるのでしょうか?
次回は、この問題に深く分け入ることにしましょう(つづく)。
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