長いも
  
 国東安岐町の里の駅ふるさと市場「R213」に「長いも」が並ぶようになりました。

 地元では単に「長いも」といわれていますが、この天然ものは、山口県においては「自然薯」と呼ばれていました。

 市販の人工栽培のものと比べて味が非常によく、その故に大変高価なものと認識していて、それを店頭で見ても手が出せないとおもってきました。

 ところが、この常識が、ここ国東にやってきて完全に崩れてしまいました。

 「高価では、誰も買わない、売れ残る」というのが、こちらでの経済感覚のようです。

 商品は、高すぎて誰も買わない、という状態になってしまうと、その価値は少しも生まれてきません。

 その価値がわかれば、少し高くても買うということに至るのですが、それが高すぎると誰も買わない、簡単な経済原理ですが、これが、この「長いも」にも適用できるようです。

 この里の駅において、この「長いも」が売られていますが、他の野菜と比較すると、それのみが、いつも売れ残っているようです。

 私は、それが安くて買いだと判断したのですが、おそらく他のみなさんは、そう考えられていないのでしょう。

 逆にいえば、安いものしか買わない、これが地元の購買者の経済感覚、そして常識なのでははないかとおもわれます。

 長い間、山口県周南市に住んでいた私の感覚、常識とは、小さくないい違いがあるようです。

 実際に、私は、この「長いも」を見つけるや否や、それは安い、買い物だと速断しました。

 なぜなら、そのベースには、山口県における自然薯の値段常識があったからでした。

 「これは、明らかに安い、こんなすばらしいものを、なぜ、みんな買わないのであろうか?」

 この経済常識が、ここの購買者のみなさんとは、大きく違っていたのでした。

 そこで、この違いが気になって、その値段をネット上で調べてみました。

 現在のネット社会というものは真に便利なもので、全国各地における「長いも」の値段がたちどころに出てきました。

ーーー やはり、そうか!

 天然「長いも」、あるいは「山芋」、「自然薯」の値段は、一番安物で、およそ1㎏あたり3800~4000円でした。

 これが大きいサイズになると軽く1万円を超えていました。

 この基準に照らして、国東の「長いも」を比較すると、その値段は、約半分でした。

 私の長いもに関する経済常識の方が正しく、全国平均値に添っていました。

 それゆえに、「安い、買い物だ!」と速断したのであり、それはミスではなかったとおもうことができました。

 これで値段の件は納得、次は味の問題でした。
 
 いくら安くても、その味が劣っているのであれば、ほとんど価格比較の意味が無くなってしまいます。

 まずは、それを洗って、すりつぶしていただきました。

 これに、家内が、気を利かして出汁を加えていました。

 これはこれで美味しかったのですが、私のとっては、単純に醤油のみをわずかにかけたもの方が食べ慣れていましたので、今度は、そうしていただいてみようとおもいました。

 あの高価な自然薯の味とほとんど変わらなかった、これが素直な感想でした。

 となると、この国東の「長いも」は、2倍以上の買い得であり、それからというものは、この里の駅に行くたびに、この「長いも」を物色するようになりました。

 やはり、先の観察結果と同じで、これを誰もが購入していませんでしたので、私としては、助かった、得をした気分でした。

 昨日も、かなり大きなものがありましたので、沖縄のお祖母ちゃんようにと2つ、家内の沖縄行きのお土産に、早生ミカンとともに持って行っていただきました。

 周知のように、「長いも」を食べると精力がアップし、元気になることができますので、それを召し上がっていただきたいと家内ともどもおもっていました。

 国東の天然「長いも」、安くて美味しい、すばらしい山の幸がまた一つ加わりました(つづく)。

naga20221119-1
長いも(1000円)