植物活性とは何か?(4)

 5)栄養付加効果

 3日前に、地元の農家のMさんと農協の方々が訪ねてこれらました。

 これには、相棒1(㈱ナノプラネット研究所社長)が対応されていました。

 丁度、それが一段落したころだったのでしょうか、そこに私が通りかかったときに軽く挨拶をしました。

 そしたら、Mさんが、持参した野菜について熱心な説明をし始めました。

 それを詳しく拝見すると、弱っていた野菜が、新たに葉を出して、その以前のものとは見違えるような成長を遂げていました。

 かれは、その訳を知りたかったそうに見えましたので、私の見解を述べることになりました。

 じつは、このみごとな蘇生と成長ぶりについては、これまでの何度も思い当たる現象に接してきました。

 一旦弱ってしまった野菜が、蘇生に転じて、それが虫にも病気をも跳ねのけてすくすくと、かれにとっては理想的で驚きの成長ぶりでしたので、それを速断で解説されたからでしょうか、唖然としながらも、納得もなされるという反応ぶりでした。

 これを踏まえ、みんなで、このメカニズムに関する議論が熱く展開していくことになりました。

 本来、植物とは、このように環境を整備してあげると、大きく成長を遂げていく生物であり、その手助けを光マイクロバブルが重要な寄与をなすのですが、そのことが典型的に現れた事例ではないかとおもいました。

 しかし、その発露が、人様の都合によって抑制され、さらには捻じ曲げられているのはないでしょうか。

 たとえば、その典型が農薬と化学肥料の大量使用問題です。

 これらについては、前記事においてやや詳しく触れておきましたので、ここでは、それを繰り返しませんが、その大量使用問題に疑問を持つようになった農家が徐々に増えてきているようです。

 その一人が、農未来のMさんでした。

 かれは、農薬や化学肥料を一切使わず、植物の本来の力を引き出すことを基本にした自然農法を実践されておりました。

 今は、千葉県に移住されて、その自然農法をますます発展されています。

 少し前のことですが、国東における稲の栽培方法について議論したことがありました。

 これには、次の2つの典型的な稲作の栽培方法が報告されました。

 1)従来の広く用いられている農法で、こちらでは、農薬や化学肥料が使用されていて、それを前提にして、栽培方法の洗練をどう可能にするかの問題が報告されました。

 この報告者は、かつて農業機械のメーカーに勤められ、実際に稲作を指導されてきただけに、さすがに詳しく、かなり詳細な稲作方法の解説がなされました。

 その結果、かれが一番強調されたことは、稲の苗を植える際の間隔であり、高密度にならない田植え、反対に田植えする苗の間隔を広げすぎないこと、その適度な間隔を有した田植えを行うことが重要であるというものでした。

 2)これに対して、Mさんの稲栽培方法は、一切の農薬と化学肥料を使用しないで、稲本来の成長を誘起させることを特徴としていましたので、1)の方法とはまったく異なっていました。

 ここには1)の報告もなされた方も参加されていましたので、真に激しい議論がなされました。

 「農薬も化学肥料も一切用いない、そんなことは考えられない!」

 こういうと、Mさんは、次のように反論されていました。

 「実際に、農薬も化学肥料も用いずに、立派に稲が育って米の収穫がなされていますので、私にとっては、農薬も肥料も必要ないのです」

 こういわれると、何もいえなくなってしまったのが、その質問者だったのです。

 この激しいやり取りを聞いていて、双方に理屈があることを理解したものの、Mさんの結果については、「そうなのかもしれない」とおもいつつも、なにか、それを本質的に理解するまでには至らなかったようにおもいました。

 しかし、その浅い理解が、脆くも崩れたのは、その稲作を実際に現地で視察したときでした。

 目の前に、Mさんの肩まで成長した稲が田圃中に育っていたからでした。

 「これが、かれのいう自然農法だったのか!すばらしい、いや、すごいことだ!」

 その写真撮影を行いながら、その驚愕と共に、それに触れた感激を隠すことができず、足の力が抜けそうでした。

 「害虫対策は、どうされているのですか?虫には、やれれていないようですが・・・・」

 「ここを見てください!」

 かれが見せてくれたのは、畦道に生茂った雑草でした。

 「ここに虫たちが集まるので、田圃のなかには虫が入ってきません」

 なるほど、そうだったのか、と感心しました。

 そして、かれは、さらに、隣の田んぼの畦道を指さしました。

 ここでは、雑草がきれいに刈られていて畦道が整備されていました。

 「ここに農薬を撒いて、雑草を枯らしています。害虫たちは、行くところが無くなって田圃のなかに寄生するようになります。

 そしたら、今度は田圃のなかの害虫駆除が必要になり、近頃はヘリコプターを使って農薬散布を行っています」

 これを指導しているのが、全国各地に広がって組織されている農業団体だそうで、そのやり方とはまったく違うことをしているのが、Mさんの自然農法だったのです。

 地元の農薬使用の農家からは、

 「畦道の雑草を刈れ、うちの田圃に虫が入ってきてもらっては困る!」

という苦情が寄せられているそうですが、これはMさんの自然有機農法の理解が不足していることの現れともいえそうです。

 このMさんの田圃のすぐ近くで、野菜を育てていたのが上述の訪問者のMさんであり、ここでは同じイニシャルになりますので、それを区別するために、訪問者のMさんを、これからMOさんと呼ぶことにしましょう。

 このMOさんは、Mさんの自然有機農法に興味を持たれたようで、その方法を熱心に勉強され、実際に自分が栽培されている野菜の栽培に試してみるようになりました。

 そのことをMさんから紹介され、私たちも、Mさんと同様にMOさんを光マイクロバブル支援することにしました。

 その理由は、Mさん、そしてMOさんがなされようとしていた自然有機農法に光マイクロバブルの技術思想がよく似ていて、互いの相性がよさそうだとおもったからでした。

 それから数年が経過し、このなかでMOさんは、独自の自然有機農法を開発され、それが今日の成果に、みごとに現れてくるようになったのです。

 この間のMOさんが開拓されてきた光マイクロバブル自然有機農法のいくつかの成果を垣間見て、

 「これは、未来につながる手法だ。これこそ『農未来』の典型的事例になるのではないか!」

と、おもってきました。

 そして、どうやら、その予測は正しかったようで、それが、より現実のものになってきたようにおもわれます。

 MOさんの野菜栽培方法は、「自然有機農法+光マイクロバブル水散布方法+土耕による肥えた土づくり」に重要な特徴がありました。

 次回は、その「農未来」に果敢に分け入っていくことにしましょう(つづく)。

kyuu20221006-1
              秋キュウリ(緑砦館2)