買い物
  
 昨日の昼過ぎ、久しぶりに地元のスーパー「エース」に行く機会を得ました。

 孫のユッツの保育園で運動会の予行演習があり、その日は午後から休園となったので、その迎えのついでにスーパーに立ち寄ったしだいでした。

 昨日の特売は葡萄(ぶどう)でしたが、いずれも高価で手が出ませんでした。

 じつは、友人から、大変おいしい葡萄が届いていたことから、そのせいで躊躇(ちゅうちょ)の念がはたらいていたのでした。

ーーー 葡萄が大好きなユッツには、送られてきたものがある。

 こうおもって、その果物コーナーを過ぎて奥に行こうとしたら、そのユッツが顔を見せてくれました。

 なにやら、玩具を持っていて、それを私に説明しようとしていました。

 「ユッツ、何か欲しいものがある?あったら、おばあちゃんにいって買ってもらうといいよ!」

 こういうと、かれは、喜んで彼女の方に駆けていきました。

 このスーパーで、好きなものを籠に入れて買うのは久しぶり、目の前の商品群から、良さそうなものを選んで籠に入れることが真に刺激的でした。

 まずは、豆腐(木綿と絹を2つずつ)、それから好物の和製キムチ、特売の厚揚げ2つと進み、お肉コーナーはパス、隣のお魚コーナーに行きました。

 運よく、「3パック1000円」のセールがなされていて、そのなかから3つを選ぶことにしました。

 お得で、おいしそうな魚ばかりですので、いずれも目移りしながらも、奥へと買い物カーを進めました。

 鯛の粗(あら)、ホゴもよかったけど、今日の一番は大きな太刀魚の刺身でした。

 これを迷わず籠に入れ、少々得した気分になって、次の2パック目をどうしようか、とおもい、迷い始めました。

 なぜなら、その太刀魚の刺身の奥に、比較的大きな「レンチョウ」を見つけたからでした。

 これを刺身でいただくか、それともムニエルがよいか、を決めかねたからでした。

ーーー 太刀魚とレンチョウを共に刺身にすると一度に食べるには多すぎる、どうしようか?

 この太刀魚は、地元では「銀太刀(ぎんたち)」と呼ばれ、その表面が銀色に輝いていて新鮮そのものでした。

ーーー やはり、この刺身を優先させよう!

 そう決めて、2つ目のパックはレンチョウにしました。

ーーー これを明日、ムニエルにしていただくことにしよう!

 最後の3つ目は、どうしようか?

 ここでまた迷い始めましたが、今度は、先ほどのように躊躇の時間を要しませんでした。

 なぜなら、1パック目の「銀太刀」のサイズと新鮮さが、私の目を奪ったからでした。

 長さ30㎝(切られている)、縦幅数㎝であり、おそらく切る前は数十㎝のものが2つ並べられていました。

 おそらく、頭の方の大きい部分は、別売り刺身にしたのでしょう。

ーーー この値段で、こんなに立派な銀太刀は、なかなか手に入らない!

 そうおもって、3つ目も、その銀太刀を選択したのでした。

ーーー 今日は、よい買い物ができた! 

 なんとなく、心が弾んでいました。

 後は、同じく特売されていた大きな卵焼きが入った「巻きずし」が、一本150円でしたので、これを二本籠に入れました。

 ユッツと一緒に帰宅し、夕方になってから、白ワインとともに、その銀太刀の刺身をいただきました。

 この刺身を、比較的淡白な、さらりとした味ですが、甘味がちょうどよく、かなり高級な刺身として少々の感激と共にいただくことができました。

 これで333円、1パック分でも多すぎて、かなりの量を残して、それを家内にバトンタッチしました。

 2パック目は、冷蔵庫に入ったままで、今日の楽しみが増えました。

 今朝になって、昨夜の卵焼き巻きずしが残っているというので、それを和製キムチと一緒に食べていると、昨夜の銀太刀の刺身の残りが出てきました。

 「あれっ、まだ残っていたの?食べたのではなかったのか」

 「ええ、いただきましたけど、かなり多かったので、残りました」

ーーー そうか、それほどに多かったのか?

 遅い朝食に、残り物とはいえ、あの刺身が出てきたので、そして、あの昨夜のうま味が再現されたとあって、

 「ここは、白ワインを少々いただくと、この上なくすばらしいね!」

 こういって出していただいたのが、チリ産のセロ・ブラヴォ・ソーヴィニヨン・ブラン(白 辛口)でした。

 やや微炭酸入りで、その香り豊かな風味は、ドイツのモーゼルワインによく似ていて、これが銀太刀の味によく合っていました。

 なんと朝から贅沢なことか、わずかなワインと残りの刺身で、ここちよい朝食にめぐりあうことができました。

 これも、安くて豊かな国東の海の幸のおかげであり、感謝いたしました。

 昼は、再度銀太刀魚の刺身、夕はレンチョウのムニエル

 まだまだ、その豊かな国東の海の幸が続きました。

 予定では、その太刀魚を焼いて食べるようになっていましたが、今朝の試食で十分に刺身でもいただけることが判明しましたので、二度目の贅沢として、その刺身を、そして夕食には、レンチョウのムニエルをいただくことになりました。

 そして、セロ・ブラヴォは、その大半が残っていますので、家内と一緒に、それらの味を楽しむことにしましょう。

 今日は、朝からよい海の幸に出会えて、ゆかいな一日になりそうです。

 昨夜は、風呂にも入らず、早寝をしましたので、午後からは、まず、たっぷりと光マイクロバブル入浴に親しむことにしましょう(つづく)。


tati20220911
銀太刀とレンチョウ(3つで1000円)