久しぶり
ここ国東半島は、優れた名水の地ですが、それが地元の人々にとっては、あまりよく認識されていません。
なぜであろうか?
しばらく前に、地元自治体のトップや幹部たちが参加した会合がありました。
いかに国東市を新興させるかというテーマでしたので、そこへの参加依頼を受けていた私は、国東半島における格別の名水の話をしました。
名水といえば、大分県では竹田や日田の水が有名です。
前者は阿蘇山山麓から地下を流下してきた湧水、後者は筑後川水系の地下水によって涵養されたものです。
これらと比較すると、第一に、国東の方が、湧水量においてかなり少ないことが指摘されます。
その豊富な湧水や地下水が、水を基礎とした農業や観光、食品文化として発展させていったのです。
ところが、国東半島には、そのような起点となる高い山や大きな川がなく、そこでの水の利用は、農業用水や家庭での生活水などに限定されてきたのでした。
阿蘇山の方は、その外輪山の大きさだけでも約20㎞(直径)もあり、国東半島が、このなかにすっぽりと入ってしまいます。
ここから竹田までの距離が約30㎞、中心からだと約40㎞にわたって、その地下を水が流れ涵養されているのです。
竹田にある有名な「河宇田湧水」においては、常に滾々と地下水が湧き出ていて、その周囲では、水づくり、酒づくり、お菓子づくり、農業など広い分野において活用されています。
阿蘇山と両子山の標高差は約2倍、その裾野面積は数倍も違うことから、国東半島においては、より少量の水を、よりゆっくりと、その地下水が海まで運ばれるという自然条件を有しているのです。
しかし、これらの比較において、大きな違いは、その地質にあります。
阿蘇の方は、栄養豊かな黒い土ですが、国東の方は真砂土を主としています。
それらが、それぞれの地下において、どうなっているのかは推測できませんが、その地下における水の涵養の仕方が違っていることが、微妙な水質の差に影響しているのではないかとおもっています。
もう一つの重要な違いは、森の形成の有無にあります。
周知のように、阿蘇山系においては草地が多く、それが赤牛の飼育や景色のみごとさとなっていますが、国東半島の場合は、そのほとんどが原生の森となっています。
森が形成されると、その足元において養分の多い土が生成され、そこのたくさんの虫や微生物が生息するようになります。
豊かな森、その下の肥えた土層、さらに、そのより下層においては礫を主とした両子活火山によって形成された地質形成がなされ、これらが、豊かでおいしい水の涵養を果たしながら海に向かって、ゆっくりと流下していくのです。
阿蘇山ほどの山の高さがなくても、782mしかない低い両子山系からであっても、その地下水が流れていきやすい礫層によって、途中で、その流下が滞ることなく流れることを助けているのです。
それゆえに、その水質、すなわち、水のおいしさに関しては、それぞれ、甲乙つけがたいほどの「格別さ」を有しています。
すでに、その両者を比較し、利き水を何度も行ってきましたが、それらに優劣はなく、「共においしい水」でした。
格別においしい走水観音湧水
その国東側の最もおいしい代表的な湧水が、「走水観音湧水」です。
ここには数体の観音様が祀られており、その足下から湧水が年中湧き出ています。
それを40ℓ、私の相棒が汲んできてくださり、感謝、感激しました。
阿蘇山と違って、ここは、ほとんど観光地化されていませんので、より純粋な自然の湧き水が出ています。
その湧水の特徴は、柔らかさとほのかな甘さにあるといえます。
もしかしたら、竹田の河宇田湧水よりは、それらが、ほんのわずかですが、より勝っているのではないかと感じています。
早速、久しぶりだったこともあって、コーヒー、紅茶、緑茶などにおいて、その味を確かめてみました。
結果は、予想した通りで、素材の特徴がよく引き出された格別においしい飲み物となりました。
この水を光マイクロバブル装置で再処理すると、さらに上質の水になるのですが、今回は、他の水で実験中だったので、それを行うことができませんでした。
なお、この湧水は、その40リットル分を小分けして、すべて冷蔵庫に大切に保管しました。
それを少量持ち出しては、お茶タイムで活用しています。
おかげで、ゆかいなお茶タイムの日々を過ごしています。
今日は、秋晴れの日曜日の朝、この水で、愛飲の「森のコーヒー」を自分で淹れてみるのもよいですね(つづく)。
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